ウィルソン大統領をどのように教えたらいいのだろう
今日は令和2年12月2日。
この本は、本屋をぶらっと歩いていて目に留まった本です。
読みました。
「ウッドロー・ウィルソン 全世界を不幸にした大悪魔」
(倉山満著/PHP新書)
授業でウィルソンのことを教え、
テストでは覚えることを強いていた身としては、
この本は刺激的でした。
まじめに研究するまで、ウッドロー・ウィルソンは「偉人」「聖人
君子」「果たせなかったけど、世界に平和をもたらそうとした立派
な人」と思っていました。とんでもない。極悪人です。あるいは大
悪魔か。それも史上最大級の。
(10p)
まさに私のイメージは「果たせなかったけど・・・」のイメージでした。
この本を読んで、ウィルソンのことをいろいろ知ることで、
覚えさせる意味が変わってきたように思えます。
こんな愚かな人がいて、世界が良くない方向に突き進んだと。
学校の先生は、教科書の内容をまずは教えなければなりません。
ウィルソンがどのような人物で、ウィルソンがやったことが
どのような影響を与えたのかは、教師は勉強しなければなりません。
今回、ウィルソン=極悪人説の本を読んだ後だと、
ついついとんでもない人だったんだよと教えてしまいそうです。
それはいいことか。
極論を読んでそちらになびくと、
対する意見に耳を傾けなくなってしまいます。
それは気をつけなくてはなりません。
教師ですからね。
結局、社会科教師は、
教科書に書いてあることを教えることが仕事なのかな。
こんな本を読んだぞ、こんな番組があったぞと、
小刻みに紹介する程度が、いいのかもしれません。
教科書の内容は絶対ではなく、教科書にはこう書いてあるけど、
本当はそうではなかったかも知れないぞと匂わすのが楽しい。
面白い本でした。
倉山満さん一押しの、外交官石井菊次郎さんのことを
知りたくなった本でもありました。
コメント