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2020年8月16日 (日)

「じんかん」/何故生まれたのか・人との出逢い

 

今日は令和2年8月16日。

  

明日(17日)から授業が始まります。

18日に「秋味」発売。

例年は、「秋味」が発売されると、

夏休みも終わりと感じますが、

今年は、「秋味」発売よりも先に夏休みが終了です。

  

夏休み中にやっておかなければならない宿題(仕事)がまだ

残っています。

後回しにしていました。

いよいよ最終日の今日はやらなくては。

昨日も逃げていました。

509pの本を読み切りました。

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「じんかん」(今村翔吾著/講談社)

  

松永久秀のほぼ一生を描いた大作です。

松永久秀のことがぐっと身近になりました。

三好長慶、松永久秀・・・大河ドラマ「麒麟がくる」にも

登場しているし、歴史番組で取り上げられることも増えました。

  

(宗慶)「お主は、何を知りたい」

(九兵衛/久秀)「人は何故生まれ、何故死ぬのかを」

 この一年間、ずっと頭を占めていた謎を口にする。雷が近くを

走ったかの如く、宗慶の肩がびくりと動いた。

「それは途方も無いことよ・・・未だかつてただ一人として辿り

着いた者はいないだろう。そもそも答えなど無く、人は死にたく

ないから生きるだけやも知れぬ」

(113p)

  

「人は何故生まれ、何故死ぬのか」

まずは前半の「何故生まれた」のかを考えたいですね。

せっかく生まれたのだから。

後半の「何故死ぬるのか」は、もう少し死が直面した時に考えよう。

  

  

つづきの引用です。

  

(九兵衛)「三好様の夢が叶えば、死は有り触れたものではなく

なるはずです。その先に人は何たるかの答えがあるのではないか。

そう思うのです」

(宗慶)「お主のその性質は、僧に向いていると思うのだがな・

・・」

 宗教の本質は心理の追究ではないか、かつて偉大な僧は皆、人

は何故生まれ、何のために生き、何故死んでいくのかを真剣に考

えたに違いない。そう宗慶は語った。

「和尚に申し上げるのは憚られますが・・・私は福聚金剛(ふく

じゅこんごう)より、遍照金剛(へんじょうこんごう)の生き方

に心惹かれます」

 九兵衛は躊躇いつつ、静かに言った。

「実践・・・か」

 宗慶はすぐに意を汲み取ってくれた。

 福聚金剛とは天台宗の開祖最澄、遍照金剛とは真言宗の開祖空

海のことである。ある日、最澄は空海の仏典である「理釈釈経(

りしゅしゃくきょう)の借用を申し入れた。しかし空海は、仏教

の真理は文章の修業ではなく、実践によってのみ得られると拒絶

し、以後二人は相交わることはなかったという。この本山寺は天

台宗の寺である故、九兵衛は憚りながら言ったという訳である。

(九兵衛)「この目で確かめとうございます」

(宗慶)「人間(じんかん)の何たるかを知る・・・か」

 己に言い聞かせるように口で言葉を転がし、宗慶はゆっくりと

瞑目した。

 人間。同じ字でも「にんげん」と読めば一個の人を指す。今、

宗慶が言った「じんかん」とは人と人が織りなす間。つまりはこ

の世という意である。

(113~114p)  

   

最澄と空海

この2人のことも今、関心事の一つです。

マンガ「阿・吽」も読んでいる途中。

この本でも登場。関心をもって読みました。

  

この本のタイトル「じんかん」とは何ぞやと思っていました。

ここでわかりました。

  

(日夏)「その御方に会って、九兵衛はどうするの?」

 日夏に言われて考え込んだ。己は何をしようとするのか、明

確な答えは持っていなかった。ただ(三好)元長という男に会

ってみたいという強い欲求に突き動かされている。その先のこ

とは会ってから考えればよい。 

 他人からは楽観的に見えよう。しかし、多聞丸にせよ、宗慶

にせよ、人との出逢いが思いがけぬ道を開くことを知った今、

九兵衛にとってはまず出逢うことが当面の目的であった。そこ

で湧き立つ感情に従うことが、九兵衛の求める「人とは何か」

に近づくことのように、朧気ながら思えた。

(116p)

  

「人との出逢い」

すぐに私事にしてしまいますが、もし今年教師を辞めていたら、

明日から出逢う同僚とは縁が薄かったと思います。

それが出逢えた。

同僚と過ごすこれからの日々は、どんなふうになるだろう?

積極的に関わって、面白い日々にして生きたい。

そう思えば、夏休みが終わって、学期が始まるのも楽しみです。

    

  

さあ仕事しよう。

  

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