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2020年5月 3日 (日)

「長期ひきこもりの現場から」⑨ ゴリゴリの嫌韓、嫌中論者になってしまう理由

  

今日は令和2年5月3日。

  

前記事に引き続いて

ドキュメント・長期ひきこもりの現場から

(石川清著/洋泉社)より引用します。

  

 ツグオ君はひきこもるまで、ずっと周囲に気を配り、周りの人た

ちの空気を読み続けてきた。そして、空気を読み続けたり、周囲に

気を配り続けることについに疲れ、ひきこもった。

(175p)

  

こういう人もいるということです。

私もこの傾向があると思います。

  

次は友和君というひきこもりの人の話。

 

 新聞やテレビはほとんど見ず、情報源はもっぱら「Yahoo!ニュー

ス」だった。

「それでひととおりわかりますから、十分ですよ」

 インターネットはさまざまなニュースができる情報の宝庫だ。ただ、

検索したり、リンクをたどると、どうしても自分の関心がある情報や

見たいニュースしか接しないことが多くなる。自分の興味のある分野

については、人一倍よく知っている反面、関心がない分野については

驚くほど知らないことがある。

(184p)  

インターネットのニュースのみだと偏る可能性が高いでしょうね。

  

閑話休題    

最近、amazonのホームページを見て驚きます。

私が欲しいなと思う本が、気持ち悪いくらいに、

いかがですかと宣伝で並んでいるのです。

その本を、amazonのホームページで検索した覚えがありません。

どこからの情報だろう?

ゾッとしました。

  

  

 友和君は、自分が日本人であることに人一倍プライドをもってお

り、最近の自分の国である日本を卑下する論調や人たちに対して、

強い怒りや不満を抱いていた。政治や社会のことをいつも考えてい

て、社会意識が偏るきらいはあるが、かなり高いほうといえる。

 特にここ数年の中国や韓国などの傍若無人な日本批判ぶりや、軍

事的な挑発行為などに怒りを抱いていた。そのため、坊主憎けりゃ

袈裟まで、ではないけれど、観光で来日して我が物顔で街を集団で

歩く大勢の中国人や韓国人に対しても、強い反感を抱いていた。

(184p) 

 

参考までに、この本が出版されたのは3年前の2017年2月です。

この文章を読み直した時に、

韓国や中国との関係がどうなっているかな。

  

続きを引用します。ひきこもりの人と長く多くかかわっている

石川清さんだからわかることだと思います。

  

 ひきこもりの若者にこのような考えをもつ人が多いのには、理由

がある。日本が批判されたり、否定されたりすると、まるで”自分”

が批判されたり、否定されたように感じてしまうのだ。

 もともと、今の自分はきちんと評価されていないとか、順調に生

きていないという自覚はあって、そうしたなんとなくの挫折感や不

遇感は、強い心の澱(よどみ)=コンプレックスになっている。そ

れらが生み出すストレスはどこかにはけ口を求めていて、外国はそ

のはけ口の対象にしやすいのだ。ひきこもりにとって、外国は最も

世界の対極にある存在で、ふだんは馴染みのない存在だ。つまり、

いろいろなことを言いやすいのである。何を言っても仕返しされる

心配はないのだから。近所や同級生の悪口を大声で堂々と言うより

は、はるかに言いやすい。

 ひきこもりの皆がこういう考えではもちろんない。しかし、意外

とたくさんいるのである。

 とにかく友和君はゴリゴリの嫌韓、嫌中論者だった。

 友和君たちが祖国日本に誇りをもつ根拠はもちろんある。生まれ

た時から、日本は世界第3位(少し前までは2位だったが、最近中

国に抜かれてしまった)の経済大国であり、先進7か国が参加する

サミットのアジア唯一の主要メンバーでもある。

 だから、このまま大国としての日本であり続けてほしいと願って

いる。そして、大国なのに外国から批判されてしまうのは、理不尽

に思えて腹立たしく、我慢がならないのだ。

 先進国であり、経済大国の国民であるから、自分もすごいんだ、

自分をもっとリスペクトしろ、という気持ちになる。途上国の人に

対して、差別や蔑視とまではいかなくても、かなりの優越感をもっ

ている。

(184~185p)

   

 

そうか、こう考えるのかと思いました。

「自分もすごいんだ」にまでつながる考え方は

なかなか見抜けるものではないと思いました。

この本が勉強になるのは、

経験した人だからわかるようなことがたくさん書いてあるからです。

それがありがたいことに、300pほど読むことで

知ることができるのです。

 

 

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