「大熊町学校再生への挑戦」③ 4月16日に合同入学式の実施
今日は令和2年2月29日。
おまけの日。
前投稿に引き続き
「大熊町学校再生への挑戦」(竹内敏秀著/
福島県大熊町教育委員会編/かもがわ出版)より
引用します。
3月26日、改めて星教育長の案内で(会津若松)市内の廃校
を見せていただきました。できれば、いわゆる間借りではなく
校舎、体育館、校庭が自由に使えること、また入学する児童・
生徒数を各学年40名として、小1から中3までの9学年で計
360名と予測し、それに見合う器の廃校を希望したからです。
旧河東第三小学校が私の心を動かしました。360名が学ぶこ
とが可能な校舎ですし、体育館、校庭も備わっていました。さ
らにダメを押されたのが、校庭のまわりに広がる豊かな田園風
景でした。それは、大熊町の小・中学校周辺を似た風景であり、
ここなら子どもたちも違和感なく学校生活に入ることができる
と思えたのです。「学校は日当たりよりも周囲の風景がたいせ
つ」ーーーこんなことばを思い出しておりました。借用する学
校が決まりました。
(47p 竹内敏英/大熊町教育委員会教育長)
廃校を利用していたことを、今回の旅行で旧県立若松女子高にあった
教育委員会に訪れて初めて知り、この本を読んでいきさつを知りました。
少しでも早く学校を立ち上げるためにはいいアイデアです。
すでに3月26日。被災後2週間で決まっていました。
課題の1つは、入園・入学式をいつ、どういう形で行うかという
ことです。
立ち上げ作業が進むにつれ、入園・入学式はできるだけ早いほう
がよいという意見と、準備がある程度進んでからのほうがよいと
いう2つの意見が出ておりました。
教育委員会としては前者の意見を採りました。大きな地震、津波
にあい、そして原発事故で自分の家も、自分たちの学校も捨てざ
るをえなくなった子どもたちです。子どもたちには、それまで習
っていた先生方や友だちと会うことがたいせつであり、このこと
が心のケアの側面からも重要ととらえていたからです。
また、「校舎があり、先生がおり、読む本があれば学校教育はで
きる」との思いも前者を採る後押しもしたのです。
4月7日に(会津若松市の)星教育長と相談。4月16日に、会
津若松市文化センターをお借りして、幼稚園、小・中学校合同の
入学式を行うことを決めました。
(51~52p 竹内敏英/大熊町教育委員会教育長)
4月16日に合同入学式!素晴らしい早さだと思います。
準備のために、たくさんの人が動いたことは、この本に書かれていました。
それはまた後で。
2学期から中学生には寄贈された自転車を生かし、自転車通学
を認めることにしました。自転車通学は「初雪まで可」という
のは(会津若松)市内の中学校に同じです。
(53p)
大熊町がある浜通りに比べて、会津地方は雪の多いところ。
「初雪まで可」というルールは雪国らしいなと思いました。
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