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2020年2月17日 (月)

パラリンピック〈20〉 「パラアスリート」⑦ 筋ジストロフィーの進行と練習

  

今日は令和2年2月17日。

  

前記事に続いて

パラアスリート」(山田清機著/PHP研究所)

より引用します。

   

【ボッチャ選手 江崎駿 えざき・しゅん】

  

ボッチャに参加する選手の中心は脳性麻痺者であり、CPIS

RA(国際脳性麻痺者スポーツ・レクリエーション協会)は、

最重度のクラス1から最軽度のクラス8まで、8つのクラスに

分けている。そして、ボッチャの国際大会に参加できるのは、

CPISRAのクラス分けにおいて最重度のクラス1と2の選

手、もしくは脳性麻痺者ではないがクラス1、2と同等の重度

障がいをもつ選手に限られる。そもそもボッチャとは、重度障

がい者のためにポルトガルで考案された競技であり、国際大会

に参加できるのは基本的に重度障がい者だけなのだ(日本は独

自にオープンクラスを設けており、軽度の障がい者も参加でき

る)。

(130p)

  

こういうボッチャの基礎的なことが勉強できました。

  

  

私は筋ジストロフィーという病気の名前を知っていたが、正直

にいって、症状についてはまったく無知だった。(江崎駿の)

父親の泰秀が言う。

「筋ジストロフィーは進行性の筋疾患で、徐々に筋肉が衰えて

いく病気です。成長期は筋肉をつくるスピードのほうが衰える

スピードより速いので、駿も小5までは普通に歩けましたが、

小6から車いすになりました」

(132~133p)

  

  

駿はジレンマを抱えていると書いたが、それは、ボッチャのト

レーニングを積むことが筋肉の破壊につながりかねないという

ジレンマである。大ざっぱな言い方を許してもらえば、筋ジス

トロフィー患者の筋肉は壊れやすく再生しにくい。筋肉を酷使

するトレーニングを積めば、筋肉が破壊されるスピードを加速

させてしまう危険性があるのだ。

(133p)

  

 

泰秀が言う。

「健常者の場合、激しい練習によって筋肉の破壊と再生を繰り

返すことで筋力が増していくわけですが、駿の場合、筋肉をい

ったん壊してしまうと再生してこないので、筋力を高めること

ができません。ですから、なるべく筋力が落ちるスピードを遅

めるようにしながら、技術を磨いていくしかないのです」

(134p)

   

  

筋ジストロフィーの進行とボッチャの練習との事情には驚きでした。

こういうことを知ると関心が高まり、観戦したと思います。

  

(駿の発言)

「ボッチャを始めたことで、先輩ができて、仲間ができて、全

国大会とかに出ると県外の人とも知り合いになれて、とても楽

しいです。昔は病気のことが気になっていましたけれど、いま

は障がいがあってもやり方次第でいろいろなことができること

がわかってきたので、あまり気にならなくなってきました」

(中略)

「僕はスポーツなんてできないと思っていたのですが、ボッチ

ャと出会って、工夫さえすれば自分にもできるスポーツがある

ことを知りました。最近は失敗をして少し後ろ向きになっても、

失敗の原因を知って解決しようと思えるようになってきました」

障がい者スポーツのもつ力を思い知らされる言葉の数々だった。

(140p)

  

私も思い知らされました。

  

つづく

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