「明日をさがす旅」④ 一刻も早く生徒に読ませたい本です
今日は令和2年2月13日。
前記事の続きで、
「明日をさがす旅 故郷を追われた子どもたち」
(アラン・グラッツ作/さくまゆみこ訳/福音館書店)
より、印象に残った文章を引用します。
今日、この本は図書館に返します。
「著者あとがき」からの引用です。
キューバで投獄される可能性があるにもかかわらず、また海に
出れば、大きなうねりや、嵐や、溺死や、サメや、脱脂症状、
飢えといった危険があるにもかかわらず、多くのキューバ人が
今でも(2016年10月)ハバナとフロリダ間の150キロ
をこえようとしています。ピュー研究所の調査によれば、20
15年には43635人のキューバ難民がアメリカにやってき
ました。2016年にはすでに10月の時点で、この人数をこ
えています。
(中略)
イサベルの物語の舞台である1994年には、海をわたろうと
したキューバ難民は、60パーセントくらいが海で命を落とし
ていたと推定されています。
(402p)
海での死は、推定となってしまうのでしょう。
「世界に知られずに死んでいってしまう」悲劇です。
「訳者注」として難民について書かれています。
その文章を引用します。
2018年は、国連難民高等弁務官のデータでは、過去70年
間で最も難民の数が多くなっています。戦争や飢餓や迫害など
によって故郷を出なくてはいけなくなった人たちが7080万
人、そのうち国外ににげることを余儀なくされた人たちが25
90万人いるといいます。そして、難民の半数以上は子どもで
す。避難の途中で親とはぐれて一人になってしまった子どもは
2018年だけで11万人以上もいるそうです。難民を生み出
しているのは、シリア、アフガニスタン、南スーダン、ミャン
マー、ソマリアなどです。
本書の著者は、アメリカ合衆国の難民受け入れ数が少ないと書
いていますが、日本はもっと少ない数しか難民認定をしていま
せん。たとえば2015年には27人、2016年には28人、
2017年には20人、2018年には42人といった具合で
す。2018年で言うと、申請した人のたった1パーセントに
もとどかない数です。それは、一つには日本の法務省が、「難
民を助ける」のではなく「難民をとりしまる」ほうに重点をお
いているからです。もう一つには、日本の人々の難民に対する
関心が低い、ということがあげられるでしょう。
(410p)
関心を高める仕事は教師ができることです。
やっていきたいです。
復職したら、すぐにでもやりたいです。
「明日をさがす旅」の原本は2017年に発刊され、
訳本が発刊されたのは2019年11月15日です。
シリアで起こっていることは、今現在も起こっていることです。
一刻も早く読ませたい本です。
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