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2019年11月 3日 (日)

「吹雪く大地」③/次の8巻を読むのが楽しみです

 

今日は令和元年11月3日。

  

前投稿に引き続き、「吹雪く大地 ~新十津川物語7~

(川村たかし著/偕成社)より引用。

  

その夜、植西が持ってきたのは子羊の肉だった。

あいは思わず声をあげた。

「まあ、おいしい」

「ほんとだ。羊はくさいものときめつけていたけど、

こいつはうまいの。」

フキも思わず、はしをだした。

植西はなにか考えこんでいたが、

「おれも、友だちの家でごちそうになって、びっくりしちゃったんだ。

羊は穴掘ってうめるだけだったろ。

料理のしかたでは食えそうな気がするんだな。」

「そうだね。こいつはいけるとも。」

めったになく照吉もすなおだった。

父が元気なのがうれしくて、今朝男はぱくぱく食べた。

あすからカラフトへいくことも胸をはずませる。

父はきっと母をさがしてくるにちがいなかった。

「ほんと、うまいね。羊って食えたんだね。」

植西はまたおなじことをいった。

この日のできごとが、のちに彼の人生を大きくかえることになる。

(204p)

 

植西耕治の人生がどう変わったかは、

7巻の中では語られませんでした。

北海道で羊の肉ときたら、きっとジンギスカンですよね。

8巻以後が楽しみです。

Ihituji75

  

   

巻末の「解説」

松田司郎さんの文章を引用します。共感しました。

  

本巻には豊太郎も恭之助もいない。

男のもつ淋しさ、大きさを象徴し、

母性としてもフキに対峙していた恭之助が、

前巻で姿を消したのはなんとしても残念である。

ときとしてフキを温かく見守りすぎたきらいはなくもないが、

フキがすばらしいだけに、物語世界の均衡上、

ひじょうに重要な存在であったのだ。

しかし、本巻にも恭之助のおもかげをしのばせる

小野田のチャンが登場する。

物語は流転するのが宿命である。

さて、飢えと死のにおいのする第8巻以降には、

どういう人びとがフキの胸にとびこんでくるのか。

待ちどおしいものである。

(286p)

 

 

恭之助ファンだったので、6巻で亡くなったのは私も残念でした。

8巻「燃える海山」が楽しみです。

図書館に予約しよう。

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