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2019年10月26日 (土)

「異色の戦争画」③人を圧倒する絵

 

今日は令和元年10月26日。

  

前投稿に引き続き、9月8日放映の

日曜美術館 異色の戦争画 知られざる従軍画家 小早川秋聲

より。

  

前投稿の聞き書きのつづき。

  

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ナレーター:戦争末期の昭和19年。小早川が戦争画の

  集大成のように描いたのが「国之楯」です。

  暗闇の中から浮かび上がるように

  軍服を着た犠牲者が横たわっています。

  当時、戦死者は「英霊」とされました。

  顔は、寄せ書きの入った日の丸でおおわれ、

  頭の周りは仏の円光(えんこう)のように、

  光の輪が描かれています。

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  この絵には、従軍画家となって以来、

  小早川がこだわってきたモチーフが描きこまれてきています。

   

  一つは「日の丸」です。

  小早川は、ただ「日の丸」がひるがえるだけの絵を

  いくつも描いています。

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  これは「武運長久」の文字と寄せ書きが入った日の丸。

  長年戦場でさらされてきたためか、

  端は破れ、傷んでいます。

    

小早川:国旗に対しての尊厳、ありがたさ。

  一度祖国を離れて、外国で日章旗を仰ぎ見たとき、

  反射的に、無理屈に、祖国を思うの念が、

  湧き上がってまいります。(記事)

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ナレーター:もう一つのこだわりは、「戦争の犠牲者」です。

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  月明かりが浮かび上がらせているのは、戦友の墓の前で、

  敬礼する姿。

  小早川は、こうした弔いの光景を幾度も描きました。

    

  従軍画家として、また東本願寺の慰問使として、

  前線で数多くの戦死者を見て来た小早川。

  これは全ての犠牲者に捧げる絵だったのでしょうか。

  

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浅田裕子さん:この作品が完成する間近に、師団長と部下たちが

  秋聲のアトリエに来て、この作品に圧倒されて、

  帽子をとって、頭を下げたという話が残っています。

  この作品を持ちだすときに、手伝いに来た女性の方が、

  この絵の前で泣き崩れたという話が、伝わっています。

  何度も、この美術館では、展示をしてきました。

  その中で、なかなか作品の前から動けない方がおられましたので、

  お声掛けしましたら、自分の兄だか弟だったと思いますけど、

  戦争で亡くなったんだと、その姿を重ねて、

  涙が出ておられたようでした。

    

  

私も、この絵は圧倒される絵だと思います。

横たわる死体という題材としても、

さらには幅2mを超えるサイズも、圧倒的です。

忘れたくない絵、そして画家だったので、書き留めました。

  

これで「日曜美術館 異色の戦争画 知られざる従軍画家 

小早川秋聲」の読み物化完了。

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