伊勢湾台風60年 色が呼びさます記憶②51枚のカラー写真
今日は令和元年9月29日。
前々の記事に続いて、9月26日放映の「チャント!」より。
この日の特集は「伊勢湾台風60年 色が呼びさます記憶」
60年前は白黒写真・白黒映像が当たり前。
伊勢湾台風から60年の今年、伊勢湾台風の被害を受けて数週間後の
名古屋市港区付近の写真が公開されました。
全部で51枚。
発見したのは山本丈路さん。☟
写真を撮影したのは、山本さんの母方の祖父、山田芳さん。
数年前に、遺品を整理していて発見したそうです。
カラー写真は普及していなかったので、
現像もこの地方ではできなくて、東京に送って現像してもらったそうです。
山本さんが語ったことの聞き書きです。☝ この写真に関連します。
山本:カラーで見ると、ここに何かあったのは
誰かの衣服なんだとか、色味があることによって
「生活感」が出て、その「生活感」が伊勢湾台風の被害で
崩れていったのが、カラーだとすごくわかりますよね。
51枚の写真は、ポジフィルム(スライド用)で保存されていましたが
色が褪せていて、赤みを帯びていました。
色の修正を専門家が試みました。☟
こんな具合に修正されました。☟
それでは修正された写真を並べます。
愛知工科大学の安田孝志学長の語ったことの聞き書きです。
安田:モノクロだと「被害があったんだな」程度にしか思わない。
それだけですんでしまう。
カラーだと懸命な復旧の姿、人がぐっと浮かび上がってくる。
非常に価値ある写真。ぜひ多くの人の目に触れるような機会を
つくっていただけるといいなと思う。
祖父が撮影した場所に立った山本さんが語ったことの
聞き書きです。
山本:こういった悲惨なことがあった場所に、
僕のおじいちゃんの立っていて、この光景を見て、
写真におさめていたんでしょうけど、
やはり白黒写真だと「昔話」となってしまうが、
カラーだと身近になってくる。
自分と近い時代だと感じるというのがあります。
さらに山本さんが語ったことが印象的でした。
山本:おじいちゃんがカラー写真を撮っていたのは、
1953年から1956年くらいまでの期間しか
撮っていなくて。
カラー写真はすごくお金がかかることだったので、
それを趣味ではやれなかったのだとおもいます。
そこから数年とんで1959年伊勢湾台風の写真だけ
あるんです。59年、他の写真があるわけではなくて
伊勢湾台風の写真だけは撮りに行っている。
ある種の使命感というか、
「これだけはおさめておきたい」という気持ちが
あったかもしれないですね。
☝ 山本さんは、ポジフィルムを名古屋市博物館に寄贈しました。
もう少し写真を並べます。
私にとっても、伊勢湾台風は生まれる前のことです。
両親が、風で家の壁が揺れて怖かったと聞いたくらいの
「昔話」でした。
でもカラー写真の威力はありました。
山本さんの言うように、近い時代だと思いました。
この特集の読み物化、まだ続きます。
今度は白黒映像をカラー化します。
つづく
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