ここでも道草

　ようやく観られました。
　愚妻がつまらんツッコミを入れるであろうことが予測されたので、極力無表情を装いながら視聴しました。

　印象に残ったのは自警団のシーン。
　流言飛語が飛び交う中、痛ましい事件があまた起こったというのは知っていましたし、金栗四三が疑われるシーンはまことに痛切なものでした。

　なんですが、もしあの状況におかれたら、自分もきっと自警団を組織していたかも知れないなーと。
　そこんとこです。
　今日的な観点から、自警団を批判したり、自警団による不祥事を批判するのは簡単です。
　なんですが、実際にあんな渦中にいたら、そらぁ自警団を組織するのも納得です。
　流言飛語にまんまと躍らされるのもむべなるかな。
（もちろん、その裏側には、彼ら自警団が、自分たちが日ごろ朝鮮人にどんな視線を向けているのか自覚をしており、その加害者意識が震災によって「復讐されるのでは」という恐怖感に転換されたわけで、実に実に考えさせられるのではありますが。
　人をサベツしないのって、道徳的に云々というのもありますが、単純に「損」なことであるなあとか。
『はだしのゲン』において、隣人の朴さんをサベツしない主人公の元は、朴さんを恐れたりはしませんから）
（『はだしのゲン』つながりで、空襲の恐怖をゴジラに託して描いた昭和二九年版の『ゴジラ』、東日本大震災をゴジラに託した『シン・ゴジラ』、どちらも名作です。もし未見でしたら是非！）

　かなり打ちひしがれて本編が終わり、予告編で大竹しのぶのいつもの口調の発破を聞くと、なんだか泣けてきますね。
　まあ、前述の通り、うちは愚妻のツッコミが怖いので、無表情で視聴したわけですがf(^ー^;

今回のドラマの中で「朝鮮人」という言葉は
出ませんでした。
金栗四三に対して「日本人か？」とは聞いたけど、
「朝鮮人か？」とは聞かなかった。
お医者さんのお父さんが説明する時に言うかなと思ったけど、
それも言いませんでした。
昨今の日韓関係に気を使ったのかもしれませんね。
実際は「朝鮮人」を出してほしかった。
基礎知識がない人は、あの場面、よく理解できないと思う。なぜ日本人んか？と尋ねたのかのか説明がつかない。
朝鮮人（または日本人ではない人）が、井戸に毒を流したなどとは言っていません。ひとつ大事な歴史が消されていたと思いました。
ただ、あの場面を教材にして、何で自警団は「日本人か？」と聞いたのか問うてもいいかなと思います。
SNSによるフェイクニュースで間違った情報が大量に発せられ、大量なるがゆえに、信じられてしまう傾向の世の中。今でも起こっていることだと思います。