そもそも「難民」と「移民」の違いは?
今日は12月9日。
授業でヨーロッパの学習をしてきて、
特にヨーロッパ連合(EU)のことを教材研究していると、
移民・難民問題が大きな課題だと痛感します。
これは移民・難民が入ってくるヨーロッパの課題でもあるし、
移民・難民の出発点である出身国の課題でもあると思います。
そもそも「移民」「難民」の区別をしておきたいです。
【難民】
難民とは、人種や宗教、政治の考え方などの違いが理由で、
自分の国にいると命を狙われたり、ひどい目にあうおそれがあるので、
外国にのがれた人のこと。 引用:キッズ外務省
【移民】
この定義は難しいです。
次のサイトから引用します。
HUFFPOST(ハフポスト)「移民」と「難民」はどう違うの?【基礎編】
残念ながら国際的に合意された「移民」の定義はありませんが、
最も頻繁に引用されるのが、1997年に当時の国連事務総長が
国連統計委員会に提案したものです。
それによると(長期の)移民とは、
「通常の居住地以外の国に移動し、
少なくとも12か月間当該国に居住する人のこと」
となっています。移動する目的や原因には一切触れていないので、
海外赴任、転勤、留学、研修、海外旅行なども
12か月以上であれば全て含まれることになります。
但し、この定義は世界各国で採用されている訳ではなく、
例えば欧州連合(EU)では「EU加盟国以外の国の国籍を持ち、
EU諸国内に3か月以上滞在する外国人のこと」と、
滞在期間が3か月とずっと短く設定されています。
また日本の国内法には「移民」の定義はありませんが、
入管法上の「中長期在留者」と「特別永住者」が「移民」に該当すると、
国際機関では解釈しています。
これによると、2015年末の時点で既に223万人の「移民」が
日本に居住していることになります。
世界全体の移民数は、上で書いた通り各国政府が採用している定義が
バラバラなので正確な把握は難しいですが、
2015年年末時点でおよそ2億4400万人くらいとされています。
長い引用となりましたが、
それだけ定義が定まっていないということです。
最近の国会で論議されてきた出入国管理法改正案。
この案が可決成立したことで、来年の4月から実施されます。
外国人が労働者として今以上に日本にやってくることが予想され、
外国から見ての「移民」の数は増えることになりそうです。
(日本の法律上、日本には「移民」はいないことになっています)
上記の定義によると、「難民」も、受け入れてくれた国で
長く住めば「移民」になります。
したがって、「移民」の大きなくくりの中に「難民」が
含まれる関係になります。
ちょっと整理できたぞ。
続く。
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