ポンペイ2/石膏像のつくり方
今日は7月1日。
6月28日の続き。
ポンペイについての私の思い込みは、
次のような説明表現から生まれました。
カラパイア ポンペイ遺跡の修復プロジェクトで復元される悲しみが詰め込まれた石膏遺体像(イタリア)
このサイトから引用します。
発掘された当時、火山灰の中は、
遺体部分だけが腐ってなくなり空洞ができていた。
考古学者たちはここに石膏を流し込み、
逃げまどうポンペイ市民が死んだときの形を再現した。
このサイトに限らず、他のサイトでも、
あるいは今まで読んできた本でも、
上記のような説明表現でした。
その時に私が思い浮かべていたのは、
遺体部分が全くの空洞になったところに
石膏を流し込むものでした。
「空洞」という言葉が、
「何もない」イメージを何の疑いもなく
私に抱かせていました。
そうなると、2016年10月22日に放映された番組では、
違和感ありありでした。
「地球ドラマチック ポンペイ 知られざるローマ人の暮らし」(NHK)
この番組では、石膏像をCTスキャンにかけて、
石膏の中身を見て、人物の年齢を予想しようとしていました。
?????
CTスキャンで見ても、中は全て石膏ではないの?
違ったのですね。
番組の写真です。
↑幼児と思われる石膏像を、CTスキャンにかけているところ。
↓画像処理して、石膏の部分をはぎ取ったもの。
頭蓋骨や歯、足の骨などが見えます。
つまり遺体は腐ってなくなってしまいますが、
骨とかは残っているのです。
「空洞」ではないのです。
そのことがわかる番組がありました。
2014年5月14日放映の番組です。
「テレビ未来遺産 緊急 池上彰と考える
巨大噴火 日本人へ古代ローマから警告
ポンペイ」
石膏像づくりの手順が紹介されていました。
聞き書きします。
池上彰さん:どのようにして石膏像が作られたのかと言いますと、
ちょっと再現してみましょうね。
火砕サージに一瞬に亡くなった人の遺体だと
考えてください。
ここにその後火山灰、あるいは軽石がどんどん
降り積もったわけですね。
上から、5mないしは6mぐらい降り積もったんですね。
そして、その後長い年月、彼らはですね、
ポンペイの街とともに、このように埋没していた
ということなんですね。
この間に、人々の肉体は朽ち果てまして、
空洞ができたわけなんですね。
言ってみれば、火山灰が自然の鋳型を作ったような形になって、
この地中にできた空洞に、19世紀の発掘の時に、
石膏を流し込んだ。
石膏を流し込んだ後、これを取り除きますと、
ほらこのように。
今回も「空洞」という言葉が出てきます。
池上さんの説明を、画像を見ないで、耳だけで聞いたら
私のイメージに骨は出てきません。
この画像を見て、合点がいきました。
骨や歯は残る可能性があったのです。
だからCTスキャンで調べようというわけです。
自分の思い込みが修正された番組でした。
先に2016年放映の「地球ドラマチック」を見て違和感を感じ、
その後に2014年放映の「テレビ未来遺産」を見て、
スッキリしました。
こうやって数多(あまた)ある録画番組を少しずつ見て、
授業へとつなげていきたいですね。少しでも。
「テレビ未来遺産」については、まだまだ書きたいことあり。
後日につづく。
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