6年前の「世界ふしぎ発見」5/ポリネシア人が屈強な理由
今日は5月5日。
前投稿に引き続き、
2012年6月23日放映の「世界ふしぎ発見!南太平洋クック諸島
ラストフロンティア 海の冒険者たち」のことを書いていきます。
聞き書き。
ナレーター:偉大なる遠洋航海者ポリネシア人の祖先、
ラピタ人とは、いったいどんな人たちだったのか?
何とその姿を日本で見ることができる。
国立民族学博物館(大阪・千里)
ナレーター:これは、フィジーで発掘された頭蓋骨をもとに、
粘土と樹脂で復元した世界で唯一のラピタ人女性の
復顔像だ。
制作したのが、人類学者の片山一道京都大学名誉教授である。
レポーター(諸岡のぶ子さん):ラピタ人は身体的には
どのような特徴を持った人たちなのですか?
片山教授:非常に骨太で、非常に筋肉質で、
アゴが非常に頑丈なのです。
現代のポリネシアの人なんかで見るような
顔立ち、体形をしていたわけです。
レポーター:そうなんですね。ラピタ人はいったいどこから
やってきたのですか?
片山教授:基本的には西の方から。
インドネシアの東部の島々。
更にさかのぼると、ひょっとしたら台湾あたりとかです。
ひょっとしたら台湾のあたりの人と
日本列島南部の人は同じような人だったかもしれないので、
日本人とも従兄弟(いとこ)かはとこの関係かもしれません。
ナレーター:現在の日本人とポリネシア人には、
赤ん坊の時に蒙古斑の出る確率が高いなど、
共通する部分が見られる。
元々同じモンゴロイドである可能性が高い。
しかし、我々アジア人とは体格がまるで異なる。
それはいったいなぜなのか?
それに対しての片山教授の答えが興味深い。
このことを知ったのが、この番組の最大の収穫です。
聞き書きします。
片山教授:なぜ(体格が)違うかということに関しては、
論理的に整合性をもって考えられることは、航海です。
遠洋航海です。
波やしぶきや雨に打たれながら、
とんでもなく寒い世界なわけです。
その寒さに耐えうるような体形というのが、
今のポリネシア人の体形だったのではないでしょうか。
(中略)
さらには遠洋航海ですから、これは大冒険です。
その時どうしても大きい人・大きい人を選ぶじゃないですか。
実際にそういうことがあったのではないかと思います。
よくポリネシアの島々は惑星に例えられます。
これから将来、月に行ったり水星に行ったり
金星に行ったりということがあると思いますが、
そういうふうな大冒険をして広がっていった
代表選手であっただろうと考えられます。
ナレーター:ラピタ人は、現代の宇宙飛行士のように、
鍛え抜かれた肉体と知恵を最先端のカヌーに詰め込んで、
未知なる島をめざした。
この結論が驚きでした。
ラグビーが強い理由は、3500年前のラピタ人の出現から
今に至る移動の歴史が裏付けだったようです。
かねてから持っていた、なぜ太平洋の島々が少人数なのに
ラグビーが強いのかという疑問。
解決した気分です。
人類の大移動の証拠ともいえるポリネシアでの
料理が紹介されました。
ウムカイです。
地面に穴を掘り、焼いた石で食材を蒸す料理です。
ウムカイに使われる食材は、ポリネシア人が、新しい島に
自ら持ち込んだものです。
注目は次の食材。
サツマイモ。
古代ポリネシア人たちが優れた遠洋航海者である証拠です。
聞き書きです。
ナレーター:中米原産と言われるサツマイモは、
紀元1000年頃には、
すでにポリネシアで栽培されていました。
何と、コロンブスが新大陸にたどり着いた15世紀より
500年近くも前に古代ポリネシア人が南米に到達し、
持ち帰ったと考えられているのだ。
番組の最後に、伝統継承者のマイケル・タビオニさんの言葉を
紹介しています。
ポリネシア人の海に対する考え方です。
タビオニ:すべてはカヌーから始まりました。
我々の伝統的な考え方に、
「ひとつの空 そして ひとつの海」
というのがあります。
海には小さな島々が散らばっていると思われがちですが、
それは違います。
なぜなら、全ての島はひとつの海でつながっているからです。
けっして海によって隔てられているのではないのです。
海への認識が違いますね。
隔てるものではなくてつなぐものなのです。
以上で6年前の「世界ふしぎ発見」のダイジェストは終了。
中学校での社会の授業でも役立ちました。
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