なぜ核兵器はなくならないのか?その2/アインシュタインからの手紙
今日は2月11日。
前投稿に引き続き、1月7日に放映された番組
「ニチファ! 池上彰緊急SP なぜ世界から核兵器はなくならないのか?」より。
聞き書きしていきます。
池上彰:核分裂の発見を利用して、
「ドイツが新型爆弾を造るのではないか?」と強く考えたのは
アメリカに亡命していたユダヤ人科学者たちだったわけですね。
大勢のユダヤ人科学者がヒトラーの迫害を恐れてアメリカに
亡命していたわけですね。その人たちにしてみれば、
その発表(核分裂の発見)を見れば、新型爆弾が造れるのではないか、
ということがわかるわけです。
もしナチスドイツが先にこんなものを造ったら、
ユダヤ人が根絶やしにされるという危機感をいだいたんですね。
そこで彼らはある人に相談しました。
この人です。
アルベルト・アインシュタイン。
当時60歳でした。
すでに相対性理論で世界的に有名な物理学者でした。
彼もユダヤ人でしたから、アメリカに亡命していたわけですね。
アメリカに亡命していたユダヤ人の科学者たちが、
何とか発言力のある人、それはアインシュタインだろう、
アインシュタインが声を上げてくれれば、
大きな影響力があるんじゃないか、と言って、
第2次世界大戦が勃発する1ヶ月前の1939年8月に、
ある行動を起こします。こちらをご覧ください。
これ(上の写真)は、歴史的出来事だったと言うことで、
後に当時の様子を再現した写真です。
当時の写真じゃないんです。こんなふうにしたんですと、
再現して撮った写真です。
アインシュタインの向かい側にいる人は、レオ・シアード。
この人も、ユダヤ系の物理学者なんです。
この後の出来事に関わる歴史的に重要な手紙を書いている、
これから手紙を書いているということなんですが・・・
さあ、いったい誰に手紙を書いているんでしょうか?
その人がこちら。
ルーズベルト大統領に手紙を出しました。
どんな手紙だったかといいますと、こちらですね。
2枚からになる手紙ですが注目すべきはこの部分ですね。
新たに発見されたこの現象、ウランの核分裂のことですね、
これは爆弾の製造にもつながるでしょう。
これにより極めて強力新型爆弾が造られることが考えられます、
と書いたんですね。
ドイツがこの研究発表を使えば、
ドイツが新型爆弾を造ることができてしまうんですよ、
危険性を知ってください。という手紙だったわけですね。
ということは、結果的に、アメリカもドイツに負けずに
新型爆弾を造る必要があるんじゃないでしょうか、
ということに繋がっていく、と言うことになるんですね。
そして、アインシュタインが訴えていた脅威が、
現実になるかもしれないという出来事が起こります。
ドイツのポーランド侵攻、第2次世界大戦というわけですね。
この状況になりまして、新型爆弾の開発研究が、
(アメリカで)できるのかという調査を始めさせたんですね。
アメリカだけではありません。同盟国のイギリスの協力もありまして、
調査開始の3年後の1942年に本格的にプロジェクトが始まりました。
そのプロジェクトの名前、ご存じの方も多いでしょう。
こちら。
「マンハッタン計画」というものですね。
「マンハッタン計画」の名前は、
「存じの方」の1人で知っていました。
今までにも勉強をしてきました。
この計画が始まるまでに、マイトナー博士とハーン博士の発見、
アインシュタインとユダヤ系科学者たちとのやい取りがあったことを
知りました。
後の歴史を知っている立場から見たら、
ヒトラーがアメリカまで攻めて、アメリカを支配下にするとは思えませんが、
当時のユダヤ系の人たちにとって、ヒトラーはどこまでやるのかわからない、
恐怖の存在だったと想像します。
つづく
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