空から日本を見てみよう/破砕機・太平洋セメント・武甲山
今日は10月28日。
前投稿に引き続いて、6月29日放映の
「空から日本を見てみよう/三重県 いなべ~桑名」より。
藤原鉱山の位置を地図で確認。利用:yahoo!地図
①の場所が藤原岳頂上です。
番組の写真です↓
この山の頂上が藤原岳の頂上ということです。
この山肌で、年間約400万トンの石灰石が採掘されています。
発破で砕かれた石灰石は、竪坑または投入ホッパーへと落とされて、
ベルトコンベアーで破砕機へと運ばれます。
上空からの映像だと、位置関係が非常にわかりやすいです。
破砕機の様子です↓
ベルトコンベアーで運ばれてきた石灰石。
まだ大きさが不ぞろいです。
破砕機↓
破砕機の入り口で大きな石は挟んで砕くのだそうです。
細かく砕いた石灰石は、再びベルトコンベアーで、
1.5km離れた太平洋セメント藤原工場に運ばれて、
セメントがつくられます。
「太平洋セメント株式会社」について少々調べました。
本社は東京都港区にあります。
設立は1881年。明治14年。実に古い。
「会社」としては最も古いそうです。
埼玉県秩父にできたセメント会社が最初のようです。
藤原工場ができたのは1932年。昭和7年。
これまた古い。歴史があります。
秩父は石灰石がとれる場所?
道草します。
秩父にある武甲山(ぶこうざん/ぶこうさん)が石灰石がとれる山です。
だから秩父で石灰石が採掘され、セメント産業がスタートしたようです。
武甲山の映像はここで見ることができます。
YouTube: 秩父のシンボル 緑再生 採掘で姿変えた武甲山
2013年4月6日公開の映像です。
藤原岳と同じ状態です。
Yahoo!知恵袋で、次のような質問をした方がいました。
引用:Yahoo!知恵袋
秩父のシンボル『武甲山』。素晴らしい山です。
将来はなくなってしまう運命だと聞きました。
なぜ無くなるのか私には理解できないので、どなたかお教えください。
できればどうしたらよいかのコメントもお願いします。
その回答の一つが勉強になりました。
基本的には、武甲山は無くなりません。
武甲山の石灰岩があるのは、現在の頂上から北側の斜面のみ。
今現在採掘されている北側斜面の地下にしか石灰岩はありません。
頂上真下から南側には輝緑凝灰岩から成るので、石灰岩はありません。
http://www.titi-lime.co.jp/Factory/Bukou.html
ということは、秩父石灰工業のHPに載っている図からでもわかるように、
今現在採掘されている北側斜面が、どんどん掘られていくだけなのですよ。
将来の武甲山は頂上から北側は巨大な絶壁と大きな穴となります。
そして、頂上から南側はそのまま残ります。
なぜ採掘を続けるのかというと、日本屈指の石灰岩の大鉱床だからです。
この山を削ることで、私たち日本人の生活が成り立っているからです。
この山以外に、石灰岩の大鉱床はほとんどありません。
この山を削らない限り、日本という国の生活の基盤や経済を支えることが難しくなるからです。
どうしたらよいか?というと、日本人がよくやっている無駄使いをなくす事でしょう。
無駄な道やダム、ビルを造らない。
必要最低限の生活をするしかないでしょう。
ただ、それが出来ないのが、今の日本。
必要最低限の生活を国が進めれば、産業は無くなるし、経済も破綻します。
そこをどのように両立できるかにかかるでしょうね。
両立できるころまでに、
武甲山の採掘が終わってしまっている可能性がおおきいですが。
採掘が完了したら目も当てられない、痛々しい山になってしまうでしょう。
自分は山登りが好きで、子供の頃から武甲山を登っていました。
痛々しい武甲山ですが、秩父のシンボルであることは変わりません。
今でも、シンボルである武甲山は登ってますよ。
いつまでもシンボルであり続けますからね。
武甲山が削られる悲しみはあるけど、武甲山がある限り自分は登り続けますよ。
特に次の一言が印象に残りました。
この山を削ることで、私たち日本人の生活が成り立っているからです。
武甲山がこのような姿になった責任は、
生活の良さを追及した日本人にもあるのです。
そして、石灰石がどこでも採掘されるわけではないようです。
当然ながら、セメントも有限な資源なのですね。
(つづく)
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