20170729報告 赤木先生のお話/人は人の中で発達する
今日は8月16日。
7月29日に神戸大学の赤木和重先生の講演会に参加。
その時のことを書きます。
〇講演会のタイトルは
「人は人の中で発達する 障害児・者の発達と集団」でした。
〇赤木先生の自己紹介のところにこうありました。
【専門】の一つとして、「ステキな実践の理論化」
今まで赤木先生の話を何度か聴いてきたので、納得。
村上先生をはじめとして、実践を理論化しているよなと思う。
「その気」が「やる気」になるという理論はわかりやすかった!
〇TEACCHプログラム、構造化、視覚支援などの
ASDの子どもたちの学習の様子が紹介される。
「すごく大事だと思う」と赤木先生。
そこでは障害特性に応じた適切な支援が行われている。
環境を整えることで、本人の「できること」を増やしたり、
スムーズに行動できる。
今の日本の特別支援のスタンダード。
でも違和感あり。
赤木先生は、そこには「友だちの姿が見えない」
「教えるー教えられる」の関係の固定化があると指摘。
〇チンパンジーは親子でも「教えない」
人間は1歳半くらいから「教える」「教えられる」ことができる。
人間は教えたがりの生き物。(だから知識や技術の急速な蓄積がなされる)
感動を共有したくなる生き物。
あこがれる生き物。あこがれから自分の行動を変える生き物。
・・・こういう社会性をもった人間
だから学習の場に「仲間」「集団」が必要。
〇「人は人の中で発達する」
社会的安心感が得られる・・・一緒にいるといい感じ。
一人ひとり違ってもいいよね。でも一緒にいるのもいい。
社会的創造性が得られる・・・1人では予想もつかない楽しいこと起こる。
〇村上公也先生の実践紹介
ローテーションカードから学ぶこと
①勉強って、本来、楽しいもの。
「どうしたら勉強が楽しくなるか」を追求する村上先生。
②「1人1人違ってもいいよね」「でも一緒に学ぶと楽しいよね」
を授業で実践している。
「違い(できること)から出発。違いながらつながる」教育
〇まとめ
・社会的安心:「今のあなたがよい!(同じでなくてよい)」
という雰囲気が出発点
・社会的創造:違いながら、共同で何かに取り組む活動が、
「思いもよらなかった自分」「予想外の自分」を創っていく。
村上先生の実践の肝の一つが「他の人とかかわること」
村上先生が次のように言ったことが思い出されます。
他者とのかかわり合いの中でできたことは、本当の力になる。
自分一人でできたことは、社会に出た時にあまり役立たない。
※ここでも道草 9月6日 キミヤーズ塾の報告3.困ったときは具体物/役割分担代わり番子(2013年9月14日投稿)
発達障害を抱える子を教えることは、個別で教えることでさえたいへんである。
でも「仲間」「集団」で「教える」「教えられる」ことは価値がある。
今回の赤木先生の講演会で、このことをあらためて認識しました。
2年連続、地元の市で赤木先生の講演会に参加できました。
以上、報告終了。
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