ハッブルのこと その10/奇跡の5年は1924~1929年
今日は2月5日。
前投稿に引き続いて、
昨年11月24日放映「コズミックフロント NEXT 宇宙の革命児!
エドウィン・ハッブル」より。
大詰めです。
ナレーター:天文学者たちの大論争に決着をつけたハッブルでしたが、
発見はそれにとどまりません。
5年後、またも衝撃的な成果を発表します。
これがその論文。
わずか6ページですが、天文学史上最も重要な研究の
一つとされています。
銀河までの距離を明らかにしたハッブル。
次に挑んだのは、それがどう動いているかを調べることです。
使ったのは、銀河から届く光の色を分析し、
そこから速度を調べる方法です。
銀河が地球に近づいている場合は、光の波長が押し縮められ、
青く見えます。
逆に遠ざかる場合には、波長が引き伸ばされ、赤く見えます。
その速度が速いほど、より赤くなります。
「赤方偏移」と呼ばれる現象です。
この光の性質を利用し、銀河の速度を調べたところ、
驚くべきことがわかりました。
横軸が地球からの距離。
縦軸が地球から遠ざかる速度です。
地球から300万光年先にあるこの銀河は、
秒速500キロメートルのスピードで、遠ざかっていきます。
一方、そのおよそ2倍遠くにある銀河は、
遠ざかる速度もほぼ2倍になっていました。
銀河のほとんどが、地球から遠ざかる、
その速度は、距離に比例することを発見したのです。
なぜ、地球から銀河は離れていき、遠くのものほど速いのか。
導き出されたのは、宇宙そのものが膨張しているという
新たな事実です。
人々が信じてきた永久不変の宇宙の姿。
それをハッブルは、たった6枚の論文で覆したのです。
家正則:これはすごいことですよね。
1923年からわずか5・6年の間に、天の川銀河の外に、
広い宇宙があるということを発見し、しかもその宇宙が、
膨張していることを発見したわけですね。
この2つの大発見は、人類の宇宙観を根本から変える発見ですから、
まあ、昔で言えば、コペルニクスとかガリレオの発見、
それの上を行く発見と言っても大げさではないんじゃないかと
思いますね。
再び、この映像の「章」の名前を思い出します。
この「奇跡の5年」はいつからいつなのでしょう。
番組ではきちんと区切っていないと思っていました。
家正則さんの言葉に、
「1923年からわずか5・6年の間」というのがありました。
変光星の発見は1923年ですが、
新聞で発表されて世間が知ったのは1924年11月のことでした。
そして1929年3月に上記の6枚の論文が発表されています。
1924年~1929年。
これが「奇跡の5年」なのだと思います。
番組を見て、本を2冊読んで、ハッブルにはまった期間でした。
ハッブル望遠鏡にはまった時期もありましたが、
今回は、その名前のもとになった人物のことが勉強できました。
でも思います。
望遠鏡がどんどん進化して、多くの天文学者が生まれ、
いろいろな説が生まれました。
そのような基盤の中からハッブルが登場しました。
その基盤なくして、ハッブルの偉業はなかったと
今回の勉強で思いました。
「膨張宇宙の発見」(地人書館)の著者の迫り方は、
的を得ていたと思います。
でもその「膨張宇宙の発見」を読んでさえ思います。
ハッブルは、やっぱり強運で格が違う人だったようです。
以上で、ハッブルのことは書き終えました。
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