引用「やってはいけない104のこと」/「ぷうる」はおかしい
今日は5月4日。
同じ年の方の活動をここに書いておきたい。
立石美津子さんの本から引用です。
「読み書き算数ができる子にするために
やってはいけない104のこと」(立石美津子著/中経出版)より。
絶対に読み書き算数の基礎は幼児期に身につけさせ、
小学校に送り出さなくてはなりません。
問題はそのやり方なのです。(6p)
【変だと思わずに「ぷうる」と教えている】
(中略)
何の根拠もなく、「まず、ひらがなから」という強い思い込みにより、
社会でカタカナ表記されているものも、
ひらがなで教えている人がいます。
実際、小学校でも1年生の1学期は
カタカナ表記のものもひらがなで教えます。
「ぷうる」「あいすくりいむ」「かれえらいす」と書いてある
ドリルもあります。(中略)
社会でカタカナ表記されているものは、
最初からカタカナで見せましょう。(21p)
【交ぜ書きを強要している】
漢字で表記されているものは、漢字で覚えた方が子どもは
覚え直しの負担ないので効率的です。
小学1年では幼稚園や保育園でひらがなを教えていないという前提で、
漢字が登場するのはだいたい9月くらいです。
夏休みまでは何でもひらがなで教えます。
ですから一学期中は「がっこう」と書かせ、
二学期になり「学」を教えたら「学こう」、
「校」が教科書に出てきたら「学校」と書かせます。
「きしゃ→き車→汽車」も同様です。
こうして交ぜ書きを子どもに強要します。
こんな教え方をされているので、
漢字の書き取りテストで「『きしゃ』を漢字で書きましょう」の
では子どもの頭にはまず最初に習った「きしゃ」が浮かびます。
これは人間の脳は最初に覚えたものが
一番印象に残るというしくみになっているからです。
でも「漢字で書きなさい」とうるさく言われ、
仕方なく漢字を勝手に当てはめ「木車」なんて間違いを書きます。
これは、小学校の先生が漢字指導で
一番頭を悩ませていることです。
最初から「汽車」と漢字で見せていれば、
走る汽車を作文に書こうと思ったとき、
「木車」とは絶対に書きません。(23p)
これだけではありません。
先生の中には、「まだ教えていないから」と、
「山田幸子」という子どもの名前を、
「やまださちこ→山ださちこ→山田さち子」と書くように
強制する人もいます。
(中略)
幼稚園で、下駄箱に園児の名前を「佐藤雄太」「鈴木美智子」
と書いておくと、特に教ていなくても自分の名前以外の
友達の名前もあっという間に漢字で覚えてしまいます。
それくらい、幼児の記憶力は高いのです。(23~24p)
※ずっと違和感を感じてきたことです。
作文集で見かけることです。
ひらがな交じりのへんてこな名前を見てきました。
作文集の名前は、漢字で書いて、
ふりがながあれば良いと思います。
今年度からでも直すべきでしょう。
【読めないのに書かせている】
読めない文字を書かせても、
それは絵を写しているのと同じです。
写すことなら、猿でもできます。 ※本当?
(中略)
書かせる前に読めるようにしておきましょう。
(中略)
目に触れる機会が多い文字は、
全体の形がインプットされています。
(中略)
したがって、「書く」ために、
前もって「読む」練習を積ませてください。
「はい、これは『鳥』という漢字です。
さあ、100文字書いて覚えましょう」と
読めないのにいきなり書かせても、
子どもの頭の中には字形がインプットされていないので、
何文字練習しても覚えることはできません。
しかし、学校では、「読み書き同時教育」です。
「山」を見せたその日に書かせます。(中略)
書かせることにより字形を覚えさせようというわけです。
非効率で、手が疲れるだけです。
(中略)
「読み書き分離教育の読み先習」が効率的な学習方法です。
5歳で書かせるなら、3歳で読ませておきましょう。
「読み」と「書き」は期間があいていればいるほどよいです。
(中略)
手本がなくても字形が頭に浮かぶその時が、
「書き」を開始する最適時期です。
ですから、言葉として文字の読み方をどんどん先に
見せておきましょう。(27~28p)
※大賛成です!
【漢字を難しいと決めつけている】
(中略)
「あ」
ひらがなの1字1字は、音を表すだけで、
意味そのものは表していない。
単なる記号です。
「あ」を見せられても色もなければ匂いも形もなく、
何か具体的なものが頭に浮かぶことはありません。
ですから、記憶にとどめにくいのです。
「中」
画数は少ないので小学1年生で習いますが、
「コップの中」「部屋の中」とつかみどころがありません。
記憶にとどめにくいです。
「上」「下」「左」「右」などは1年生の配当漢字です。
しかし、抽象的な概念を表す漢字は
イメージしにくいので覚えにくいのです。
「虫」
「中」よりはイメージがわきますが、
「虫」という名前の虫はこの世にいませんから、
「蟻」のようにパッとイメージができません。
「蟻」
「蟻」を見ると、子どもは頭の中に、
実物のあの黒くて小さい「蟻」をすぐに思い浮かべます。
記憶にとどめることが簡単にできます。
ですから、「蟻」という漢字を一番よく覚え、
「あ」は一番覚えない、という結果になったのです。
「林檎」「救急車」「怪獣」「蜜柑」「冷蔵庫」「焼肉」などの
具体的な概念を表す漢字は、幼児には理解しやすいのです。
(31~32p)
先日載せた「体の漢字」の学習で、
子どもたちは「漢字が難しくても覚える」というのは
実感できました。
「ひらがなよりも先に漢字を学習した方がいい」と教えてくれた
村上公也先生の言葉も思い出されます。
引用はまだつづく。
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