「タイピング能力の低下への懸念」引用
今日は2月11日。
「学校とICT 2015年10月号」(Sky株式会社)より
和歌山大学教授の豊田充崇さんの文章から引用します。
この方のお話は以前直接聴いたので注目しました。
※参考:ここでも道草 10月17日セミナー報告その3/「スポット研修」という名前がいい(2015年10月18日投稿)
「タイピング能力の低下への懸念」
学習課題を解決するための優れた手段として
コンピュータを活用する場合、
やはり前提となるのは「タイピング能力」です。
紙上に書くよりも早く文字入力できてはじめて
その効果が得られると言えます。
しかし、「情報活用能力調査結果(平成26年)」にょると
小学5年生の平均タイピング速度は、
わずか分速5.9文字しかなく、
平均で10秒に1文字程度しか入力できないという実態が
明らかになっています。(14p)
10秒に1文字では、はかどらなくて嫌になってしまいます。
文章をつくるのではなく、文字をうつことで精一杯です。
これらの背景には、
スマートフォンやタブレット端末の個人普及によって、
家庭内で親子がコンピュータ共有して使う機会が減少したことや、
フリック入力や音声入力などの手軽な
文字入力方法が開発されたことで、
自然にタイピングをマスターする機会が
少なくなっていることが考えられます。
また、学校においては「総合的な学習の時間」の
カリキュラム変更などで、
定期的なコンピュータ教室の利用が減少していると言います。
このような背景からも、タイピング速度の低下は顕著であることがうかがえます。
(14p)
なるほどと思いました。
タイピング速度低下の理由をこうやって分析してしまうなんてさすがです。
スマートフォンやタブレット端末の普及も理由なんだ。意外でした。
そもそも文字入力ができなければ、
ICTを用いた「情報を収集・判断・表現・処理・創造」などが
できるはずがありません。
九九を覚えないまま、方程式を解くようなものです。
また、手書き文字認識や音声入力などの
新しい入力デバイスの開発により、
児童生徒のタイピング速度の低下は
それほど憂慮する必要はないと言われています。
(14p)
確かにそう思えます。
でも豊田さんはこう書いています↓
しかし、いわゆる「パーソナルコンピュータ」が現れてから40年近く
キーボード入力に代わる安定した入力デバイスが
使用されていない現状からすると、
タイピング速度の低下は楽観視できるものではないと
懸念を覚えます。 (14p)
自分の実体験でも、キーボードがうてないのは、
ICTを使いこなせないと思います。
「情報活用能力調査結果」をうけ文部科学省が発行した
「21世紀を生き抜く児童生徒の情報活用能力育成のために」
の冊子にも、あらためてタイピング指導についての
事例が掲載されています。
情報活用能力の基礎的なスキルとして、
児童生徒にいかにしてタイピングスキルを習得させ、
「適切な情報手段」として積極的なICT利用を促していくかを、
私たちは考えなければなりません。 (14p)
ちょっと軽視しがちだったことに
目を向けるきっかけになった文章でした。
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