「ダメ!を言わなければ・・・」からの引用その3
今日は2月22日。
前投稿に引き続き、
「『ダメ!』を言わなければ子どもは伸びる」
(親野智可等著/PHP研究所)からの引用をしていきます。
親の愛情に対する信頼感に満たされているのと、
心の底に不信感を持っているのとでは大きな違いです。
これはその子の生涯にわたる人間関係に大きな影響を及ぼすことになります。
親に対して信頼感を持てた子は、
自分を取り巻く他者一般にも基本的な信頼感を持てるようになります。
ですから、その後の人間関係のすべてを
信頼感を土台につくれるようになります。
友達との関係、先生との関係、その他もろもろの生涯にわたる
人間関係のすべてを、信頼感を土台につくることができるのです。
その反対に、親に対する不信感や愛情不足があると、
他者一般にも基本的な不信感を持つようになります。
そのため、親以外の人との人間関係も不信感を土台に
つくるようになってしまうのです。
私が教えたこの中にも、
「どうもこの子は土台に人間への不信感があるな」
と感じざるを得ない子がいました。そういう子は、
たとえば友達と肩がぶつかったとき
「何するんだ。やるのか?」
という反応になってしまいます。
いつも親に攻撃されているので、
「自分を守らなければ」という気持ちが意識の最前線にあるのです。
それが攻撃的な反応になって表れるわけです。
いつも親に叱られてばかりいたら、
いつも親に攻撃されてばかりいたら
(叱るというのは言葉の暴力攻撃以外の何ものでもありません)、
いつも言葉の暴力や身体的な暴力を受けていたら、
こうなるのは当たり前です。
自分の中の満たされない部分が、
いつもマグマの塊になって渦巻いているのです。
それは、何かちょっとしたきかっけで噴出することになります。
反対に、いつも親の愛情への信頼感に満たされている子は、
友達と肩がぶつかったくらいでキレるなどということはあり得ません。
にこにこしながら、
「ごめんね。だいじょうぶ?」と自分から言うことができるのです。
(中略)
この表れ方は、大人になってからも同じです。
犯罪を起こさざる得ない人たちは、
子どもの頃叱らなかったのではなく、むしろその反対なのです。
(28~30p)
親野さんは次になぜ親は子どもにひどい言葉を投げつけるかの
理由について書いています。
私はたくさんの親たちと接してきてわかったのですが、
親たちはみんな親だから許されると無意識のうちに思っています。
はっきり言えば、親という立場に甘えているのです。
(31p)
親がわが子にひどい言葉をぶつけてしまうのは、
親という立場への甘えだけが理由ではありません。
もう一つ挙げなければならないのは、
親が描いたイメージが最優先されているということです。
(36p)
(親は)こういう子になってほしいという、
あるべきイメージを持っているのです。
でも現実のこどもはどうでしょう?
はるか下を低空飛行です。低空飛行どころか潜水艦状態で、
いつ浮かんでくるかわからない状態です。
「このギャップをどう埋めるのか?」となったとき、
ほとんどの親は「また〇〇してない」「なんで〇〇しないの」
「〇〇しなきゃダメでしょ」などの否定的な言葉の連発になってしまうのです。
もちろん、ここまで引き上げたいという気持ちは、
ある意味とても大切なものでもあります。
でも、こういう気持ちがあるばかりに、
またはありすぎるばかりに親子で苦しんでいる例が非常に多いのです。
こういう気持ちが強ければ強いほど、
親子ともども苦しむことになります。 (37~38p)
親野さんはさらに親の抱く「イメージ」についても
考察していますが、また後日その部分は引用します。
たくさん引用してきましたが、やっと38pです。
このブログに書き留めておきたい文章が満載の本でした。
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