寝る前に、どれだけ記憶に残せるか/前頭連合野
今日は1月10日です。
前投稿のつづき。
「怪人二十面相」は、江戸川乱歩さんが、子どもの頃に見た映画「怪盗ジゴマ」が、
アイデアのきっかけになったと知って、なるほどとうなずきました。
やはりアイデアは、記憶(経験)の組み合わせだと再認識しました。
「Newton別冊 能力のしくみ―記憶力,直観力,発想力,天才脳など」
(ニュートンプレス)からの引用を続けます。
「睡眠がひらめき力をあげることを示す実験」について122~123pに書かれていました。
それによると、同じ練習問題に取り組んだとしても、そのまま起きて取り組んだ人と、
一度寝て取り組んだ人では、寝て取り組んだ人のほうが、
早く問題の法則を発見して、解くことができるのだそうです。
ただし、それは寝る前に練習問題に取り組んだ時です。
寝る前に問題に取り組まず、寝てから初めて問題に取り組んでも、
睡眠をとらなかった人たちと差はなかったそうです。
寝る前に、どれだけ記憶に残せるかが大事なのです。
どうにかしたい課題があったなら、そのことを強く悩みながら眠りに入るのがいいわけです。
翌朝になにか浮かぶことを期待して。
そんな「ひらめき力」に関するページを見たかったのが、
本を手に入れたかった第一の理由です。
実はもう一つ、この本の魅力だったのは、
私の関心事のワーキングメモリについても書かれていたからです。
わかっているようであいまいであったワーキングメモリの確認をしようと思いました。
それではまずは、ワーキングメモリのある「前頭連合野」について引用します。
脳の中には、”脳の中の脳”ともいうべき、
最高次の中枢に位置すると考えられている部位がある。
それが、大脳前頭葉を占める「前頭連合野」である。(84p)
「前頭連合野」という言葉もあれば、「前頭前野」という言葉もあります。
どう違うんだと思っていました。
いろいろ調べての結論は、まあ同じものと考えていいということです。
脳の大きな皺によって、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉にわけられ、
その中の前頭葉の前方が前頭連合野と呼ばれます。
1848年、アメリカの工事現場監督であったフィニアス・ゲージ氏は、
事故によって前頭連合野の大部分を失ってしまった。
一命を取りとめたが、人望が厚かった彼の性格は一変して野蛮になり、
また将来への計画性をもつことができなくなってしまった。
覚醒剤や麻薬の多くも、前頭連合野の活動に影響をあたえて人格を破壊させる。
前頭連合野は、まさに”ヒトを人間たらしめる脳”であるといえるのだ。
ちなみに、ヒトの前頭連合野の大脳皮質に占める割合は約30%である。
一方、ネコの前頭連合野が大脳皮質に占める割合は2~3%しかなく、
ネズミはそもそも前頭連合野をもたない。(84p)
人間にとって大事な全頭連合野の中心がワーキングメモリなのです。
次につづく。
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