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2015年1月10日 (土)

寝る前に、どれだけ記憶に残せるか/前頭連合野

  

今日は1月10日です。

  

前投稿のつづき。

  

「怪人二十面相」は、江戸川乱歩さんが、子どもの頃に見た映画「怪盗ジゴマ」が、

アイデアのきっかけになったと知って、なるほどとうなずきました。

やはりアイデアは、記憶(経験)の組み合わせだと再認識しました。

  

  

Newton別冊 能力のしくみ―記憶力,直観力,発想力,天才脳など

(ニュートンプレス)からの引用を続けます。

  

「睡眠がひらめき力をあげることを示す実験」について122~123pに書かれていました。

それによると、同じ練習問題に取り組んだとしても、そのまま起きて取り組んだ人と、

一度寝て取り組んだ人では、寝て取り組んだ人のほうが、

早く問題の法則を発見して、解くことができるのだそうです。

ただし、それは寝る前に練習問題に取り組んだ時です。

寝る前に問題に取り組まず、寝てから初めて問題に取り組んでも、

睡眠をとらなかった人たちと差はなかったそうです。

寝る前に、どれだけ記憶に残せるかが大事なのです。

どうにかしたい課題があったなら、そのことを強く悩みながら眠りに入るのがいいわけです。

翌朝になにか浮かぶことを期待して。

  

  

  

そんな「ひらめき力」に関するページを見たかったのが、

本を手に入れたかった第一の理由です。

実はもう一つ、この本の魅力だったのは、

私の関心事のワーキングメモリについても書かれていたからです。

わかっているようであいまいであったワーキングメモリの確認をしようと思いました。

  

  

それではまずは、ワーキングメモリのある「前頭連合野」について引用します。

  

脳の中には、”脳の中の脳”ともいうべき、

最高次の中枢に位置すると考えられている部位がある。

それが、大脳前頭葉を占める「前頭連合野」である。(84p)

  

「前頭連合野」という言葉もあれば、「前頭前野」という言葉もあります。

どう違うんだと思っていました。

いろいろ調べての結論は、まあ同じものと考えていいということです。

脳の大きな皺によって、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉にわけられ、

その中の前頭葉の前方が前頭連合野と呼ばれます。

  

 

1848年、アメリカの工事現場監督であったフィニアス・ゲージ氏は、

事故によって前頭連合野の大部分を失ってしまった。

一命を取りとめたが、人望が厚かった彼の性格は一変して野蛮になり、

また将来への計画性をもつことができなくなってしまった。

覚醒剤や麻薬の多くも、前頭連合野の活動に影響をあたえて人格を破壊させる。

前頭連合野は、まさに”ヒトを人間たらしめる脳”であるといえるのだ。

ちなみに、ヒトの前頭連合野の大脳皮質に占める割合は約30%である。

一方、ネコの前頭連合野が大脳皮質に占める割合は2~3%しかなく、

ネズミはそもそも前頭連合野をもたない。(84p)

  

人間にとって大事な全頭連合野の中心がワーキングメモリなのです。

次につづく。  

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