沢村栄治2.正力松太郎/大人の都合
今日は4月26日。
前投稿のつづき。
黒鉄ヒロシさんのコメントをきっかけに、図書館で借りてきた本を読みました。
「沢村栄治とその時代」(北原遼三郎著/東京書籍)です。
漠然と知っていた沢村栄治さんのことが、ググッと迫ってきました。
引用したい文がたくさんあります。
図書館に返す本なので、できるだけ書き写したいです。
しかし、理屈と膏薬はどこにでも付く、というのが正力(松太郎)の口癖だった。
頭の中でこれだと閃いたものをまずやってみる。理屈はそれからでいい。
そんな正力の決断は、いつも速かった。
その判断がときには失敗に結びつくこともあった。
しかし、失敗を恐れていては読売の再建はできない、と正力は常々考えていた。 (23p)
最近、プロ野球創世記のことをいろいろな角度から調べていますが、
正力松太郎さんの名前は必ず出てきます。またまた登場といった感じ。
この本で、決定的。次はこの人の本を手に入れよう。
正力さんの上の考え方は、支持。欲しいのは「閃き」・・・最近乏しい。
でも自分にまだまだ期待しています。
両手をがばっと畳につき、(栄治の両親の)賢二とみちゑに深々と頭を下げながら、
京都のじいやん(伊東藤四郎/賢二の実父)は京都商業校長・辻本光楠とのやりとりを思い浮かべていた。
「伊東さん、栄治君は必ず我が京商に来てくれますね、大丈夫ですね」
「・・・・はあ、何とか」
「何とかじゃ困りますよ。我が京都商業は、近い将来中等野球界に覇を成そうと考えているんですよ。
そのためにもお孫さんの栄治君はぜひ必要な選手なんです。
いいですか、伊東さん、もし約束を違えた時には、
先刻お貸しした資金はすぐ返してもらいますよ」
「あ、いや必ず約束は守ります。はい」 (中略)
伊東藤四郎ーーー京都のじいやんは、栄治の人生にまとわりつき、
そして消しがたい影を落としていった。 (69-70p)
黒鉄さんの言う「大人の都合」が見えてきました。
大人の都合が、沢村栄治さんの命さえ脅かすことになります。 (つづく)
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