「きもちのこえ」(大越桂著)・・・脈で会話!
今日は4月21日。再スタートから8日目。
休んでいる時のメモを次々手直しして、投稿しています。
前投稿のつづきです。
大越桂さんのことを知ったのは、3月7日の朝日新聞朝刊でした。
大越さんの本「きもちのこえ」(毎日新聞社)が手に入ったので、読みました。
大越さんが19歳の時に書いた本です。
1年かかって書いた本と聞きました。
確かに、文中に書いてある彼女の書くスピードだと、さもありなんと思います。
よくぞこんなに書いたと驚きます。
彼女のような状態だから気づくこと、思うことがコマめに書かれていました。
そうかこう感じるんだ、こう思うんだと、よくわかりました。
大越さんは、ちゃんと聞こえているのに、聞こえていないと思われていました。
いろいろ考えているのに、考えていないと思われていました。
彼女の表現方法が限られていたからです。
ある日、横に付き添っていたお母さんが、発見します。
看護士さんが、呼吸器を調整しようとすると、大越さんの脈拍数が上がることがモニターで分かったのです。
大越さんが、表面上は眠った状態に見えても、聞こえていて、
ちゃんと反応していることに気づいたのです。
私が、眠った状態に見えても「意識は起きていることがある」ことを理解してもらえたおかげで、
状況は激変しました。
脈拍で会話ができるようになったのです。
たとえば、起きているか、眠っているかは、見た目にかかわらず話しかけて
確認してくれるようになりました。
そして、起きているときに、音楽をかけてくれるようになりました。
うるさいと感じる曲の時は「うるさい、うるさい、だめだめ」と
いやだオーラを出すと脈拍が少し上がり、
好きな曲だと「これはいいね!」と安心オーラになるおかげで、
脈が落ち着くのだそうです。(中略)
脈拍によるコミュニケーションは、細かいことまでは通じないけれど、
少なくとも「関わってもらえる可能性」が生まれた、そのことに意味がありました。 (122~123p)
自分の思いが伝わらない状態がずっと続いていた大越さん。
脈で伝わったことに感激しています。
こんなこと、今までの自分には想像もつかないことです。
ただ、「ジョニーは戦場へ行った」(小説・映画)を思い出しまた。
主人公が試みたことと共通します。
次の投稿につづく。
コメント