図工の授業3・・・「冨嶽三十六景 隅田川関屋の里」
今日は11月26日。
前投稿のつづき。
2枚目の絵を紹介します。
「冨嶽三十六景 隅田川関屋の里」(1830~1832年頃/葛飾北斎作)
これも馬が大事な役割を果たしている絵です。
手前に旅姿で馬を走らせる3人の武士。動。
遠くにデンとそびえる赤富士。静。
その構図がいいと思います。
社会科の授業で、浮世絵を学んだ子どもたちにとって、
少しは関心を持つ絵だと思います。
武士たちが急いでいる様子が、馬の姿や武士たちの姿で表されています。
そこを子どもたちにつかませたい。
描かれている場所がどの辺りか知りたくなりました。
調べました。
東京都足立区にあり、隅田川のすぐ近くでした。
思ったより東京の中心に近い都会です。
絵の中にある道は、牛田堤と言うそうです。
堤とは、水があふれないように川や湖の岸に沿って、土を高く盛った場所。
絵のタイトルにあるように、隅田川が流れているなら、
それは右手か左手か?
富士山が遠くに見えることから、今3人は、西に向かっていることになります。
そうなると、左手側が隅田川になります。
ここに本当に川があるの?川岸に湿地がおおくあったようなので、このように見えるのか。
それじゃ右手側には何があるの?ここも湿地?
近くに綾瀬川と言う川があったようです。
それが右手にあったと考えるなら、
牛田堤は隅田川と綾瀬川の真ん中にあって、両方の川の堤だったわけです。
2つの川にはさまれた狭い堤を、馬が疾走する。
スリルも加わって、よりいい絵に思えます。
などと、勝手に想像しています。
それでは最後に、地図で関屋の里と思われるところを示します。
次のサイトによると、明治時代になって、
その川辺の湿地が水運の便から「工業地帯」へと利用され、産業の発展に尽くしました。
しかし公害問題を初め都市の過密化から工場は地方へ転出し、
現在は高層住宅や一部「公園・庭園」等にシフトして、
住民の住み良い、住環境を目指して変革を遂げているそうです。
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