玉砕3 総員玉砕せよ!
今日は9月12日です。
前投稿のつづき。
ドラマ「鬼太郎の見た玉砕」の原作は、次の本です。
ドラマを見た後に読みたくなって、
さっそく取り寄せて読みました。
「総員玉砕せよ!」(水木しげる著/講談社文庫)
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ここで描かれている支隊長は、楠木正成を敬愛しています。
就任のあいさつはこんな感じ。
「私が新しくバイエン支隊長に任命された田所少佐である」
「我が支隊は本夕刻バイエンに向って出発する」
「かの大楠公(だいなんこう/楠木正成のこと)が賊と戦い
湊川で討死したのも五百であり」
「我が支隊もまさに五百である」
「諸子の勇戦を期待する」
(21p)
まだ若く、死ぬことを美と考えている支隊長は、
部下にとっては恐ろしいと感じるようです。
先に紹介した水木しげるさんの証言の中にも出てきます。
※「戦争証言 アーカイブス 水木しげるさん戦争体験」
http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/shogen/movie.cgi?das_id=D0001130006_00000
成瀬支隊長っていうのはね、27歳の士官学校を出た少佐だから、
やっぱりあんまり人間とか軍隊は詳しくは分からん年ですから。
(中略)やっぱり支隊長になって来るとね。機械みたいに扱うわけですよね。兵隊を。
上の命令をそのまま実行しようとするかなんか知らんけれど。
何かこう、逆に怖かったねぇ。27歳で少佐なんていうのは。怖い。
なんかこう、人間を人間として扱わないんだなぁ。結局は士官学校出た連中はどうも。
成瀬支隊長は、「総員玉砕せよ!」の中で、田所支隊長として表されています。
彼が玉砕するまで戦うことを命じます。
命令する者はある程度の経験がなければ突っ走る。
もう戦争の終わりに近づき、経験を積んだ指揮官が不足していたことが理由にあるようです。
何かと上司から鉄拳制裁をされたりするシーンがあります。
戦闘以外にも、戦争中の生活は地獄。
この本は、そんな様子が淡々と描かれています。
淡々と・・・人は死ぬのですが、日常茶飯事になっているため、
淡々と描かれています。
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