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2010年9月12日 (日)

玉砕3 総員玉砕せよ!

   

今日は9月12日です。

前投稿のつづき。

ドラマ「鬼太郎の見た玉砕」の原作は、次の本です。

ドラマを見た後に読みたくなって、

さっそく取り寄せて読みました。

「総員玉砕せよ!」(水木しげる著/講談社文庫)

総員玉砕せよ! (講談社文庫) 総員玉砕せよ! (講談社文庫)
水木 しげる

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ここで描かれている支隊長は、楠木正成を敬愛しています。

就任のあいさつはこんな感じ。

   

「私が新しくバイエン支隊長に任命された田所少佐である」

「我が支隊は本夕刻バイエンに向って出発する」

「かの大楠公(だいなんこう/楠木正成のこと)が賊と戦い

 湊川で討死したのも五百であり」

「我が支隊もまさに五百である」

「諸子の勇戦を期待する」

(21p)

    

まだ若く、死ぬことを美と考えている支隊長は、

部下にとっては恐ろしいと感じるようです。

先に紹介した水木しげるさんの証言の中にも出てきます。

※「戦争証言 アーカイブス 水木しげるさん戦争体験」

http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/shogen/movie.cgi?das_id=D0001130006_00000

    

成瀬支隊長っていうのはね、27歳の士官学校を出た少佐だから、

やっぱりあんまり人間とか軍隊は詳しくは分からん年ですから。

(中略)やっぱり支隊長になって来るとね。機械みたいに扱うわけですよね。兵隊を。

上の命令をそのまま実行しようとするかなんか知らんけれど。

何かこう、逆に怖かったねぇ。27歳で少佐なんていうのは。怖い。

なんかこう、人間を人間として扱わないんだなぁ。結局は士官学校出た連中はどうも。

     

成瀬支隊長は、「総員玉砕せよ!」の中で、田所支隊長として表されています。

彼が玉砕するまで戦うことを命じます。

命令する者はある程度の経験がなければ突っ走る。

もう戦争の終わりに近づき、経験を積んだ指揮官が不足していたことが理由にあるようです。

    

何かと上司から鉄拳制裁をされたりするシーンがあります。

戦闘以外にも、戦争中の生活は地獄。

この本は、そんな様子が淡々と描かれています。

淡々と・・・人は死ぬのですが、日常茶飯事になっているため、

淡々と描かれています。

 

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