火天の城6/胴突き
先週の日曜日の投稿のつづき。
http://mitikusa.typepad.jp/blog/2010/06/post-3c62.html
この時に紹介した写真がこれ。
原作を読んでいたら、ちょうどこの場面と思われるところがありました。
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「女たちもよく働くな」
「まこと、近江の女は働き者でありゃあすな」
崩して平らにしたところから、
重い丸太に柄を何本もとり付けた胴突(どうつき)で
土を突き固めてゆく。
これは、近江の百姓女たちの仕事だった。
男が急いで突き固めるより、
女の力でなんども突いたほうが、
土がよくしまる。(66p)
先週の投稿で「たこ」と書いた道具は、「胴突」とも言うようである。
調べると、「胴突」の方が範囲が広い。
国語辞典には次のように書いてありました。
地盤を突き固め、また、くいを打つこと。
また、その用具。
俗に「よいとまけ」とよばれる真棒胴突きと、蛸(たこ)胴突きがある。
(デジタル大辞泉)
さらに「よいとまけ」について調べてみました。
建築現場などでの地固めのとき、
大勢で重い槌(つち)を滑車であげおろしすること。
また、その作業を行う人。作業をするときのかけ声からいう。
(デジタル大辞泉)
ちょうど上の写真の向こうにあるのが、
「重い槌を滑車であげおろし」している場面ではないでしょうか。
真棒胴突きです。
貴重なワンショットです。
原作は今108pまで読み進めました。
これまた面白い。
同じ作者の「雷神の筒」も面白そう。
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