冬休みに読んだ鬼が出てくる本その2
「鬼の首ひき」(岩城範枝・文/井上洋介・絵/福音館書店)
力持ちの若者が、自分を食べようとする鬼と力くらべをする話。力くらべと言えば、腕相撲。その他に中世には足相撲、首引きというのがあったそうです。この3つの方法で力くらべをしています。首引きは、お互いに首にひもをまきつけて、引っ張り合いをします。勝敗は?狂言「首引き」を下敷きにした絵本です。
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「鬼のうで」(赤羽末吉・文絵/偕成社)
切られた腕を鬼が取り返しにくる話。平安時代のヒーロー、源頼光と家臣の一人渡辺綱が出てきます。(源頼光の家臣には、あの“金太郎”の坂田公時もいます)鬼と人間の知恵くらべ、戦いのお話です。
「スーホの白い馬」「くわずにょうぼう」とかでおなじみの絵本作家の赤羽末吉さんが、「古典のもつきわだったドラマ性にひかれ、長年にわたり想をあたため、画魂をこめて創作、絵本にしたものです」(表紙の紹介文より)
「鬼のおくりもの」(金田喜兵衛・文/狩野ふきこ・絵/ひくまの出版)
鬼の本を冬休みに読んでみたいとブログに書いたのは12月24日。
http://mitikusa.typepad.jp/blog/2007/12/post-2ba6.html
そこでも書きましたが、作者の金田喜兵衛さんは、新任で勤めた小学校の校長先生です。語りも上手な校長先生で、当時も子どもたちを集めて、自作のお話を話されていました。子どもたちが、涙して聞いていたことを思い出します。
「鬼はうち!」と叫んだ男の子の前に赤鬼青鬼があらわれ、お礼を言います。なにか欲しいものはないかときかれ、”マラソンでビリになりたくない”と言います。鬼たちは、素晴らししいおくりものをします。本来男の子が持っている力を引き出すおくりものです。・・さすが校長先生!今年の年賀状には、この本に出会ったことを書きました。絵もいいなあ。
表紙裏にはこう紹介されていました。「長年、愛知県の山村に住んで、自然の中の子どもを見つめてきた作者の心温まる物語です。」その通り。
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