「天空の星たちへ」⑤ 川上慶子さん 黒澤丈夫さん
今日は令和3年8月22日。
前記事に引き続き、
「天空の星たちへ」(青山透子著/マガジンランド)
より引用していきます。
奇跡的に助かった川上慶子さん(当時12歳)の新証言を書いた記事。
そのタイトルは、「死の直前の妹を励ます」というものだった。
「墜落後に気がつくと、真っ暗で油のにおいがした。子供の泣き声な
どざわざわしていた。自分の体中さわってみて、みんな付いていて生
きているって思った。みんなはどうしたのかと思って呼ぶと、お父さ
んと妹が答えて、お母さんは答えなかった。
手足を動かしてみい、とお父さんに言われて動かした。お父さんに助
けてというと、お父さんも挟まれて動けない、助けてやりたいけどど
うしようもない。と言われた。
そのうち父は動かなくなってしまった。妹の咲子に聞くと、お母さん
は冷たい、死んでる、という。咲子は、苦しい、苦しいと言った。
そして、みんな、助けに来てくれるかなあ、というので、大丈夫、大
丈夫、お父ちゃんもお母ちゃんも死んだけれど、島根に帰ったらおば
あちゃんとお兄ちゃんと4人で頑張って暮らそうなあ、と答えた。そ
のうち、妹は、ゲボゲボと吐くような音がして、しゃべらなくなった。
一人になってしまったと思った・・・日頃父から、慶子は中学に入っ
てから根気がなくなったといわれていたのを思い出して、頑張った」
(1985年8月24日付上毛新聞)
(304p)
辛い記事です。
事故直後に生存者が多くいたことがわかる記事です。
どうにかならなかったのでしょうか。
墜落現場の群馬県上野村の当時の村長黒澤丈夫さんが、
事故の翌年の慰霊祭で式辞を読みました。その内容です。
今後この上野村は、世界に向かって航空機事故を起こさないように
訴えることが仕事であり、使命だと思っている。それは、原爆の広
島や長崎と同じ立場で、突然の飛行機の墜落事故で燃えた上野村が
やらなければならないと、そういう気持ちです、と話された。
(385p)
川上慶子さんの証言も、黒澤丈夫さんの話も、
語り継いでいかないといけないことだと思います。
このブログに書き留めました。
このブログを読んだ人にバトンパスです。
以上で「天空の星たちへ」からの引用を終えます。
やはり実際の文章の引用は伝わり方が強いですね。
本を読むと疑念が強くなると同時に、なぜこのルポの内容を政府等が強く否定しないのだろうと思ってしまいます。
投稿: ハマコウ | 2021年8月22日 (日) 19:59
この本を読んで、36年間疑問に思わないできたことに
疑問を持つようになりました。
青山透子さんの他の本をまた読み始めています。
青山さんの予想していることが起こったのなら、
とんでもないことですよね。
これって、絶対に解明すべきことだと思います。
驚きつつ読んでいます。
投稿: いっぱい道草 | 2021年8月23日 (月) 09:51