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2021年7月28日 (水)

番画〈338〉:「白い灰の記憶 大石又七が歩んだ道」⑤

   

今日は令和3年7月28日。

   

前記事の続きです。

〈338〉「ETV特集 白い灰の記憶 大石又七が歩んだ道」

  (2021年7月24日放映)

この番画をほぼ聞き書きしてます。

   

〇語り始めた大石さんは、59歳で肝臓がん、

 その後も肺の腫瘍などの病気にみまわれた。

 それでも語ることをやめなかった。

 

〇佳子:今度は自分がやりたいと思って動いてきた人生ですね。

  そこからは。

  講演活動もやらなくても別にいいけど、

  自分でやろうと思って動き出した結果だし、

  そこでいろんな方たちとお会いして、

  いろんなことに気づかされて、

  その中で事件のことを調べて、勉強っていうと変だけど、

  一生懸命調べたりとか、人の話を聞いたりとか、

  そういうことをするようになって、

  知識を深めていったところがある。

  人とのかかわりあいの中で、父自体が変わっていったというのも

  言われますね。

  やわらかくなった。

  すごい厳しい人だったんですよ。

  厳しいというのは、人に対してバンバン言うとか、

  そういう厳しさと言うのではなくて、

  さわれないような鋭い部分っていうのが、

  そっからはもう立ち入れないよねみたいな、

  そういうピリピリしたものがあって 

  家に帰ってきても、うちって落ち着けれるような場所ではなくて。

  人とのかかわりあいの中で、やわらかくなってきた。

   

〇2004年

 ビキニ事件からちょうど50年経った2004年。

 大石さんは水爆実験が行われたマーシャル諸島を訪れた。

 自分と同じように、死の灰で被曝した現地の人々と、

 交流するのが目的だった。

 水爆「ブラボー」が爆発した時、82人が暮らしていた

 ロンゲラップ島。

 人々は降り注いだ死の灰の中に、2日間置き去りにされた。

 アメリカは、人々を避難させた後も、治療を行わず、

 血液や尿を採取して、放射線の影響を調べた。

 やがて、島に戻った人々に、甲状腺の腫瘍や、がんが続出する。

 女性には流産や異常な出産が相次いだ。

 不安をつのらせた人々は、1985年に故郷を離れた。

  

〇マーシャル諸島の首都マジュロ。

 (2004年に大石さんが訪問した時の映像)

 大石さんは模型の船を持参していた。

 ビキニ事件を伝えたいと作り続けてきた第五福竜丸。

 これで8隻目だ。

 故郷を離れて暮らすロンゲラップ島の人々が、

 この日、久しぶりに集まっていた。

 (模型船を手渡す大石さん)

大石:これは私が作ったものです。どうぞ置いてください。

 

〇ビキニ事件当時村長だったジョン・アンジャインさんが

 模型船を受け取る。

〇(第五福竜丸をラッキー・ドラゴンと表現する大石さん)

  

〇ジョンさんの息子レコジさんは1歳で死の灰を浴びた。

 15歳の時に甲状腺の異常が見つかり、アメリカで手術を受けた。

 4年後、白血病で再びアメリカに運ばれる。

 その3か月後、レコジさんは19歳で亡くなった。

 アメリカのメディアは「人類の水爆死 第1号」と書き立て、

 ようやくマーシャルの核被害が知られるようになった。

 アメリカは自分たちをモルモットのように扱った。

 ジョンさんはそう考えてきた。

 

〇ジョンさんと大石さんとの会話

 ジョン:水爆の犠牲者についてアメリカはまだ

  すべてを報告していません。

  ロンゲラップの被曝者について言えば、

  レコジのまえに2人が亡くなっています。

  レコジだけが犠牲者ではないのです。

  大石さんの主張は正しいことですし、

  一人で戦う姿に敬意を表します。 

  (ジョンさんは2004年に亡くなったと字幕)

  強い人ですね。

 大石:私の息子も、最悪の状況、奇形児で生まれている。

  ジョンさんの息子さんのことを見ていて、

  言葉がない。(嗚咽)

  

〇大石さんの語り

 大石:ビキニの人たちの被害というのは、なおざりにされてきている。

  月日だけはどんどん流れていくという虚しさと、

  人と人との争いのために弱いところ、無関係なところが

  被害を受けているという。

  人間が持っている理解できないでいるような部分を、

  しんみりと感じましたね。

  何とかできないかなと思いながらも、何もできないもどかしさを

  感じましたね。

  

   

つづく   

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