「やばいデジタル」② 正義に酔ったことあり
今日は令和3年2月10日。
前記事に引き続き、
「やばいデジタル ”現実(リアル)”が飲み込まれる日」
(NHKスペシャル取材班/講談社現代新書)より。
攻撃的な批判のツイートが短時間で
急速に拡散することについての文章。
鳥海氏は、その理由について、「悪い人を叩くのは悪いことでは
ないという考え方になっており、どんどんその情報を広げてしま
うのです。そして、できるだけ速くいろんな人に情報を広めるこ
とによって、自分自身が正義に酔えるということがあるのではな
いでしょうか」と分析する。
(28~29p)
鳥海氏とは、東京大学の鳥海不二夫准教授。
「正義に酔う」というのはわかる気がします。
正義に酔って、かつて文章を書いた覚えもあります。
「ここでも道草」の記事の中にはあります。
ディープフェイクへの対策が難しいなかで、私たちはどうしたら
いいのだろうか。山岸教授は、「昔は映像を見たらすぐ信じてし
まう方も多かったかもしれませんけれども、それが崩れつつある
ということだと思います。特に今後大事になってくるのが、こう
いった映像を見た時、私たちがどのようにその情報を適切に理解
して、判断するかという、私たち側の問題だと思っています。私
たちのメディアリテラシーを見直して、教育するようなことが必
要です」として、私たちのリテラシー教育の重要性を強調した。
ディープフェイクが問題となるのは、作られることだけでなく、
それが拡散されるというところにある。私たち一人一人にできる
ことは、「これは本物なのか?」と疑い、偽物である可能性があ
れば、それを拡散しないという認識を持つことではないだろうか。
(56~57p)
映像を過信しているかもしれません。
「これは本物かどうか?」を見極めなければならない時代に
なっているのですね。
山岸教授とは、国立情報学研究所の山岸順一教授です。
「インターネットに、ある程度の音声データがあれば、世界中に
住むどんな人の音声も作ることができてしまいます。映像と音声
は、人類の歴史の中でも、信頼できるソースとして使えるものだ
と思われてきましたが、もはや、あなたが耳に聞こえるもの、見
るものは、現実のものではないかもしれません」
(60p)
映像だけでなく音声までもが、デジタルで作り出せるそうです。
振り込め詐欺に利用されてしまえば、だまされる人も増えます。
自分の見たいと思うものだけを見る、もしくは、見たくないもの
が見えないようになる現象を「フィルターバブル」と呼ぶ・・
(76p)
フェイクによる世論操作を分析してきた王銘宏助教は、人々がフ
ェイクにさらされ続け、「自分の信じたいものしか信じなくなる」
ことに警鐘をならしている。
(77p)
情報が少ないのも問題ですが、情報過多な状況も、
「見たいものを見る」「信じたいことを信じる」というふうな
傾向になるよなあと思います。
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