「還暦からの底力」③ 10年後、思いがけない世界が広がっているかな?
今日は令和2年10月28日。
前記事に引き続き、
「還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方」
(出口治明著/講談社現代新書)から引用します。
大切なのは「人・本・旅」で、たくさんの人に会う、たくさんの本を
読む、たくさんいろいろな現場へ出かけていき、たくさんの出会いを
つくることです。すると、その中から運と適応により、思いがけない
世界が広がるかもしれません。
(118P)
いろんな手を使って、出会いを増やしていきたいです。
たとえば5年後、10年後、自分はどうなっているだろう?
定年があるので、今までとの出会いとは種類が違ってくるでしょう。
その結果、どんな人生になっているだろうか?
思いがけない世界が広がっているだろうか。
楽しみ。
山本義隆さんという在野の科学史家で、『磁力と重力の発見』(みす
ず書房)などすばらしい本を何冊も執筆している人がいます。元・東
大全学共闘代表であり、予備校の物理の名物講師として長年、教鞭を
とっていたのでご存知の方も多いでしょう。
山本さんはあるインタビューで「人は何のために勉強するのか?」と
いう質問に対し、「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、
要するに物事を自分の頭で、自分の言葉で自分の意見を表明できるよ
うになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強するので
す」と答えています。
つまり人が「考える葦」になるために、自分の頭で考え自分の言葉で
自分の意見を言えるような人間を育てることが、教育の根源的な目的
ということです。
(151~152P)
生徒に「なぜ勉強するのか」と聞かれたら、このようには言えません。
ピンと来ない説明だと思います。
でも、学校での勉強を離れた大人の身としては、納得の説明です。
考える力も料理と同じで、最初は考える力の高い人の真似から入り、
試行錯誤を繰り返しながら自分のものにしていく。具体的には考える
力の高い人が書いた本を読むことです。(中略)
本を読む意味は単なる知識の獲得にとどまらず、先人の思考のパター
ンや発想の型を学ぶことにあります。料理のレシピとまったく一緒で
す。先人の思考のプロセスの追体験からはじめるのです。
(155P)
読んで、こうやって書き写すのは、先人の思考パターンや発想の型を
血や肉にしたいと思っているからです。
そうなってほしい。
また明日。
コメント