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2020年8月30日 (日)

「私の考え」③ 子どもたちは反抗しながらも従いたがっている

    

今日は令和2年8月30日。

  

前記事に引き続き、

「私の考え」(三浦瑠麗著/新潮新書)より引用していきます。

  

 

 トランプ大統領が登場してひとつだけよかったところを挙げると

すると、何か停滞した感じが微塵もしないことだ。彼は、世界は放

っておいたら壊れかねないことを教えてくれたし、このままなんと

なく、社会が似たような均質なところへ収斂(しゅうれん)してい

くのではないかという幻想を打ち砕いた。私たちたちは進歩のため

の努力がまだまだ必要だと気付いたのだ。靴下を手にはめて踊って

いる子どもたちのために。

(84p)

  

※【収斂】=一つにまとまる 

トランプ大統領の「分断」政策は、

全員にあまねく支持を得る方法ではなくて、

一部有権者のためのものでした。

とんでもない大統領だと思いましたが、

熱烈な支持者が存在することに驚きました。

世界にはいろいろな立場の人がいて、

それぞれの考え方があり、共存していたのだと思いました。

その人たちをバランスよくやらなくては、紛争が起こり、

全体が瓦解していく可能性があると感じました。

  

  

次は少々長めに引用します。

   

 そんな活発な子どもに読んであげると、大人しくじっと聞いてい

る本がある。メアリー・ポピンズのシリーズものだ。メアリー・ポ

ピンズは家庭教師(ガヴァネス)といわれる職業婦人で、ロンドン

に住むバンクス家の子どもたちの面倒を見に、ある日突然やってく

る。黒いこうもり傘で空から降りてきたその人は、鼻がツンと上を

向いていて、地味だけどスマートな着こなしをしている。口を開け

ばそっけなく、ぴしゃりとやり込めたり皮肉を言ったりする。子ど

もたちがやいのやいと理屈を言うと、「口を閉じてくださいさっさ

と着替えて、さもないと・・・」というような味も素っ気もない脅

しを突きつけ、子どもたちの質問にはあまり答えない。巷でいわれ

ている最近の理想の子育ての真逆をいくような規律と教育方針だが、

子どもたちはメアリー・ポピンズが大好き。

 一つの理由は、メアリー・ポピンズといるとたまに素敵なことが

起こるから。魔法のようなことが現実に起き、規律正しいメアリー・

ポピンズの印象と真逆に、世間の常識を覆すような行動をしてもよ

いことになるんだ。あべこべベターヴィーさんのように逆さになっ

てみたり、星を空に糊でぴしゃぴしゃと貼付けてみたり、夜の動物

園で動物たちが檻から出てきて会話したり。たわいのないことなの

だけれども、日常の規則や同じことの繰り返しに飽き飽きしている

子どもは、目を輝かせる。

 想像力というのは、伸ばしてやるとどんどん膨らむけれど、やっ

てみないと育たない能力のひとつだ。考え、夢想する時間がないと、

育まれないから。子どもの退屈は、そういう意味で貴重な時間でも

ある。バンクス家の子どもたちには、いままで面倒をみてくれたり

甘やかしてくれたりする人はいても、そんな自由な発想を見せてく

れる人がいなかったのだ。

 もう一つの理由は、やはりある種の規律。こういうと変に聞こえ

るかもしれないけれど、子どもたちは反抗しながらも従いたがって

いる。やはり人間は集団行動が好きなのだ。ただし、そこには尊敬

できる確固とした人がいて、自分たちをきちんと見てくれている、

話を聞くべき時には聞いてくれる、という安心感がなければならな

い。

 集団行動や規律は、私たちの自由を明らかに制限してしまうが、

同時に「自由」を際立たせてくれる。日常生活に張りを与え、そこ

で初めて非日常に意味が与えられるからだ。

(129~130p)

 

教育に関連する内容です。

自分の解釈で、自分にあてはめたい。

  

授業は規律正しくやっていきたい。

教科書代わりの本をなぞるように教えます。

その中に、映像を持ち込んで、非日常の時間にします。

ふだんのテレビ放送でも勉強ができることを示します。

その気になれば、テレビ番組で、

授業で見たことをふくらませることができる可能性を示します。

授業で教えたことなんて、その事象のほんの一部であって、

もっといろいろなことがあるぞと示したいです。

想像することを始めないだろうか。

  

思えば、この方針はずっとずれていない。

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