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2020年2月24日 (月)

「歴史の愉しみ方」④ 愛知県に向かう新幹線の中で500年ごとの大地震のことを読みました

  

今日は令和2年2月24日。

  

前記事に引き続き、

歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

(磯田道史著/中公新書)より引用します。

   

(岡山県)番町(ばんちょう)というところまできて、ふと小

早川秀秋のことを思い出した。そういえば、小早川秀秋の遺体

は、この番町の瑞雲寺(ずいうんじ)に埋められている。ひさ

しぶりに、見に行こうと考えた。

小早川秀秋は、岡山での人気がなかった。(磯田さんが)小学

生の頃、歴史少年だったわたしは、小早川の遺体埋葬地うぃ確

かめようと、その寺に一人で行ってみたことがある。愕然とし

た。荒れ放題。寺の屋根には草が生え、雨が漏れ、穴が開き始

めていた。とくに岡山は西軍の大将格の宇喜多秀家の地元。宇

喜多家の敗残浪人が「小早川さえ裏切らなければ」と歯嚙(は

が)みしているところへ、秀秋は入ってきた。だから、ひどい

話だが、秀秋が21歳で死んだときには、小気味がいい、と、

皆が思ったらしい。

秀秋を葬った寺についた。意外なことに、あれほど荒れていた

寺の屋根はすっかり修理されていた。「岡山城主小早川秀秋公

菩提寺」の真新しい標柱も立っていた。

時がたてば、秀秋への恨みさえ浄化され癒されるものらしい。

(124p)

   

最近の瑞雲寺の様子が、ここでわかりました。☟

ロードスターと戦国史跡ツーリング 瑞雲寺 『小早川秀秋の墓所』

磯田さんが、小学生の時に見た瑞雲寺と、

写真で比較したかったですね。

寺の住所は、岡山県岡山市北区番町2丁目6−22 

岡山市に行くことがあった時には、ぜひ訪れたいです。

  

  

太平洋の沿岸には、だいたい500年に1回ほどの周期で、超

巨大大津波がきている。

この500年に1度の「強いほうの東海大地震」が、最後にこ

の国を襲ったのは、室町時代で、明応大地震・明応大津波(1

498年)とよばれる。この地震津波の超絶した大きさは、鎌

倉の大仏の大仏殿を押し流し、大仏殿を裸にした可能性が高い。

さらには砂丘を破壊し淡水湖の浜名湖を海とつなげた。京に近

い湖が琵琶湖で近江(ちかつうみ)、京に遠い湖が浜名湖で遠

江(とおとうみ)だったのを変えたすごい地震である。

運の悪いことに、われわれは、この明応地震からちょうど500

年後の世界に生きている。次は強いほうの東海大地震、人口集中

地に15メートルの巨大津波がきても不思議ではない時期にさし

かかっているといっていい。

(150~151p)

  

前記事に書いたように、薩摩人の詮議のように、

巨大地震が来たらどうするか、どんな準備をしたらいいのかを

考えないといけないと思います。

先日、保険については確認しました。

一安心。次は・・・・・

  

  

さらに困ったことがある。新幹線のことである。2012年2月

2日付の『産経新聞』の記事で96歳の旧国鉄総裁の仁杉巌(に

すぎいわお)さんが重要な証言をされていた。国鉄は新幹線ルー

トを決める時、津波のことを全く考えなかった。大津波がくると

新幹線は、浜名湖付近と焼津付近の二か所で津波にやられる。迂

回ルートを作って対策したほうがいい、と、いっておられた。仁

杉元総裁は技術系出身の総裁で土木の専門家である。現在、新幹

線は10分どころか過密時には3分間隔で発車している。しかも

浜名湖付近では高架も低く海面に近いところを走行している。震

度6~7では新幹線は脱線に耐えるのがせいいっぱい。地震後、

曲がった線路を走るのは絶望的で、かりに15メートル近い津波

がくれば、新幹線の架線は5キロ、10キロと、水没する可能性

がある。上下線で悪くすると四編成が被害をうけることも考えら

れる。新幹線は一編成の定員が1300人。四編成やられた場合、

さらに東海道線もあるから、阪神大震災に相当する死者をここだ

けで生じさせるかもしれない。

(155~156p)

  

  

この部分は、東京から愛知県に戻る新幹線の中で読みました。

切実な内容でした。

もしかしたら偶然が起こるかも?と思っていました。

  

う~ん、ここまでにします。

「歴史の愉しみ方」からの引用を終えます。

磯田さんはとても歴史を愉しんでいました。

気になったことをほっておかないで追及することで、

おもしろい展開になり、愉しめることを

実践で証明してくれました。 

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