大台ケ原山森林鉄道その4/インクラインの跡
今日は令和元年11月7日。
一昨日の投稿に引き続き、
10月25日放映の「金とく 中部ネイチャーシリーズ
大台ケ原山 幻の森林鉄道を探せ」より。
橋本博さんと小林知之さんは、JR船津駅を出発して、
大杉谷森林鉄道跡を歩いてたどり始めました。
鉄道跡は、9kmほどは道路になっていたのですが、
途中からは山の中に飲み込まれてしまいます。
危険な個所もあるため、山岳ガイドに先導してもらって、
山中に分け入りました。
そしてかつて線路が敷かれていたスペースを発見します。☟
岩肌を削ったと思われる場所です。
狭いです。
ここを大きな丸太を積んだ貨車が走ったかと思うと、
スリルがあったろうなと思います。
しばらくすると線路があったであろう場所が途切れました。☟
実は、はるか上にある峠から、この途切れた場所まで、
材木を運ぶ信じがたい設備があったそうです。
別角度から見ます。
☝ 黄色の三角点が峠。
そこから線路が途切れていた赤の三角地点までの急坂。
とても鉄道が走れません。どうしたか?
どうしたと思いますか?
私は思い浮かびませんでした。
橋本さんが、ここにあった施設の写真を見せてくれました。
インクラインという施設があったのだそうです。
急斜面でも丸太をおろすことができる施設です。
写真のアップを並べます。
真ん中にある建物が中間駅。
インクライン2つを使って峠から丸太を下していました。
総延長は893m。角度は30度を超えるところもあったそうです。
インクラインの残骸が残っていました。
インクラインの動力は、何と丸太の自重でした。
その説明を図で示してくれました。
最初、丸太を運ぶトロッコは、この状態です。☟
☝ ワイヤーが巻かれたドラムは連動しています。
☟ 上のトロッコに丸太を載せます。
そうすると、丸太の自重でトロッコが下がり始めます。
ドラムが連動しているので、空のトロッコが上りはじめます。☟
☝ 2つのトロッコは、途中ですれ違うことができました。
☝ 下に来たトロッコの丸太はおろされて、
上のトロッコに丸太が載せられます。
そして繰り返しです。☟
うまくできています。素晴らしい。
ドラムの傍らには、ブレーキらしきものがありました。☟
こんな感じで使っていたのでしょうか。☟
今は木々の中に埋もれているインクラインです。
今回は以上です。
インクラインで思い出すのが、5年まえの記事。
※ここでも道草 蹴上インクライン周辺散策1.初めてのインクライン(2014年10月2日投稿)
こちらは、船を持ち上げるインクラインでした。
全5本。こういう機会に読み直しました。
そうすることで、記憶に落ち着いていくと信じたい。
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