ポンペイ7/ベスビオ山は火山だと思われていなかった?
今日は7月18日。
「テレビ未来遺産 緊急 池上彰と考える
巨大噴火 日本人へ古代ローマから警告
ポンペイ」(2014年5月14日放映)のこと。
この番組では、BBCの協力で、
BBC制作の映像を多く流しています。
その元になるBBCの番組を見ることができるサイトがありました。
ここです↓
セーヌ川の眺め ブログ 最新の技術によって蘇ったポンペイの人々の死の瞬間とその姿
このBBCの映像でもあるベスビオ山噴火の
再現映像を見た時に、違和感がありました。
写真を並べます。
以上です。
違和感を感じませんか?
私が違和感を感じたのは、
噴火したベスビオ山の頂上には火口がなく、
緑地が広がる場所だったことです。
ちなみに、これは現在のベスビオ山。
今のベスビオ山とは似ても似つかない山容です。
最近読んだ「古代ポンペイの日常生活」
(本村凌二著/講談社学術文庫)に、
西暦79年当時のベスビオ山の様子が
次のように書いてありました。
ポンペイに都市が形成され、繁栄を誇っていた当時、
山はたんなる巨大な丘と見なされていた。
頂上には多数の樹木が生い茂り、山麓の斜面には
ぶどう畑とオリーブ畑が広がる。
しかし、古代の学者のなかには、
たとえば地理学者ストラボンのように、
この山を火山と認める者もいた。
前八世紀ころには火山活動をしていたらしいが、
すでに八百年近く山は眠り続けていた。
火口は硬くなった溶岩によって塞がれ、
ガスの圧力は逃げ口がなかった。
(中略)
紀元79年8月24日、暑い夏の朝方だった。
突然、大地を揺るがすような大爆音が起こり、
山の頂きから巨大な火柱が吹き出した。
人びとの多くは山が火山であるとは
夢にも思っていなかった。
まさに青天の霹靂(へきれき)の大噴火であった。
(32~34p)
この文章を読むと、BBCの噴火再現映像は納得です。
違和感が解消されたことの報告でした。
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