「なぜ2種類の葉の柏餅があるのか?」その2
今日は5月5日。
前投稿に続いて、4月17日放映の「この差って何ですか?」より。
この理由を予想してみましたか?
それでは聞き書きをまた続けます。
ナレーター2:明治時代になると、外交が盛んになり、
日本は海外の文化をどんどん取り入れていったのですが、
その時、非常に困ったことが起こったのです。
それが暦(こよみ)。
もともと日本では旧暦が使われていました。
しかし、西洋の新暦を取り入れたことから、
暦におよそ1か月のズレが生じてしまったのです。
そのため、旧暦の5月5日は、
新暦だと6月上旬ごろになるのですが、
新暦に変わっても、端午の節句は5月5日と決まっているので、
旧暦の時に比べて、およそ1か月、時期が前倒しに
なってしまったのです。
そんな中、大変困ったのは、柏餅屋さん。
柏餅屋さん:まだ全然葉っぱが育っていない。
ナレーター2:本来、柏の葉っぱは、6月になると
およそ20cmまで成長していたのですが、
新暦の5月では、半分のおよそ10cmまでしか
大きくなっていないため、柏の葉っぱで
お餅が包(くる)めなくなってしまったのです。
柏餅屋さん:どうすればいいのだろうか。
ナレーター2:その時です!
柏餅屋さん:そうだ!大きく育った柏の葉っぱを、
保存して、来年使えばいいんだ。
ナレーター2:そこでお茶の葉同様に、柏の葉っぱを蒸して殺菌し、
乾燥させることで、長期間保存することを考えついたのです。
しかし、実際に蒸してみると・・・
柏餅屋さん:なんだこれは!
ナレーター2:何と、蒸すことで、緑色の柏の葉っぱが、
茶色く変わってしまいました。
柏餅屋さん:でもまあ、柏の葉っぱを使うためには、しょうがないか。
ナレーター2:こうして、明治時代には全ての柏餅の葉っぱが
茶色へと変わり、茶色の葉っぱの柏餅が定番になっていったのです。
ナレーター:その後、およそ120年間。日本で売られていた
柏餅のほとんどが、茶色の葉っぱだったのです。
ナレーター:ではなぜ、現在緑色の葉の柏餅が売られているのでしょうか?
梶山校長:それはここ20~30年くらいで、真空パックの技術が、
飛躍的に発達したからなんです。
ナレーター:そう、真空パックの技術が進んだことで、
緑色の葉っぱのまま、長期間保存できるようになり、
緑色の葉っぱの柏餅を作れるようになったのです。
樫山校長:しかし、今でも柏餅のイメージが強い茶色の葉っぱも
需要があるので、茶色と緑色の2種類が存在するのです。
明治時代に旧暦から新暦に移行したことで、
柏餅の葉っぱの色が変化しただなんて、
とっても面白いことだと思いました。
いい勉強ができた番組でした。
コメント