「優しいライオン」からの引用1.「作家は人生で作品を書くべきだ」
今日は3月18日。
今朝の記事に書いた図書館に返した本のことを書きます。
「優しいライオン~やなせたかし先生からの贈り物」
(小手鞠るい著/講談社)
小手鞠るいさんについては、
ここで書いています↓
※ここでも道草 「あんずの木の下で」/著者は小手鞠るいさん(2018年2月26日投稿)
本からの引用です。
寂しい、という気持ち。悲しみ、という感情。
執着、嫉妬、羨望、疑心暗鬼、恨みつらみ、
ありとあらゆるネガティブな感情。
それらについて書く、ということが、
今の私には楽しくて仕方がない。
なぜならそれらは私のベストフレンドだから。
私はそれらを知り抜いているから。
何かについて書くためには、書くよりも前にまず,
そのことを生きなくてはならないということなのだろう。
血の通った文章を書くためには、
まず本人が血を流さなくてはならない、とも言えるだろうか。
この教えもまた、私が先生(やなせたかしさん)からいただいた、
貴重な贈り物のひとつである。
『アンパンマンの遺書』のなかに、
「作家は人生で作品を書くべきだ」という言葉がある。
いつの頃からか、この言葉を、私は座右の銘としている。
先生の詩の一行一行は、
先生の体のなかを流れる血管であり、血潮だった。
一篇の詩はそのまま,先生の人生劇場の一幕だった。
(58~59p)
小手鞠るいさんについては、
これは教師にも言えると思う。
教師も教える時にその人の人生が出た方がいい。
その方が、子どもたちに訴えるものがあると思う。
先生の絵本『やさしいライオン』が
フレーベル館から刊行されたのは、一九七五年一月。
私(小手鞠るいさん)が京都で「詩とメルヘン」に出会った翌年である。
その後,四十年以上が過ぎた今も、この絵本は版を重ねつづけている。
どれだけ多くの子どもたち、大人たちが、
この絵本に心を奪われ、涙してきたことだろう。
読み返すたびに、いや、この絵本のことを思い出すだけでも、
胸のふるえるような一冊である。
(81p)
「優しいライオン」に先立って私は
「やさしいライオン」(フレーベル館)を読みました。
年老いた父親と暮らす日々。
それを思い出して読みました。
私は「やさしいライオン」にはなっていない。
でも父親と暮らしてきた今までのことは覚えています。
大事な日々だと思います。
でも、つい父親を叱ったりしてしまう。
「やさしいライオン」になるのは難しいです。
つづく
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