塩素消毒 ジョン・リールさんの功績
今日は2月20日。
前投稿もそうでしたが、
ずっと以前に見た番組で、
時々何かの折にポッと頭の中に浮かんでくる内容があります。
どこかに書き留めておいたわけでもないのに、
浮かんできて、それが気になるんです。
これは脳が重要だぞと思っていることなのでしょう。
このブログに書き留めておこうと思います。
1月25日放映の
「BS世界のドキュメンタリー シリーズ いまに至る道 清潔」からです。
今では水道水を塩素消毒するのは当たり前ですが、
昔はそうではなかったようです。
ジョン・リールさんです。
リールさんは医師でしたが、
医療よりも細菌を研究することに没頭していました。
その理由はリールさんの父親にあります。
リールさんの父親は南北戦争に従軍していて、
汚染された水を飲んで感染症にかかり、
長く苦しい闘病の末に亡くなったのだそうです。
リールさんは、この辛い体験から、
水の殺菌方法を探ることに没頭することになります。
いろいろ方法で殺菌を試した結果、
リールさんがであったのが薬品「次亜塩素酸カルシウム」です。
消石灰に塩素を吸収させたものです。
塩素は毒ガスにも使われたものなので、注意が必要な薬品です。
熱意が認められ、リールさんは大手の水道会社で働くようになります。
2600万㎥もの水道水を管理する立場になりました。
1908年。
リールさんが勤めていたニュージャージー州の水道会社は、
細菌の繁殖に頭を悩ませていました。
リールさんにとって待ち望んだチャンスでした。
リールさんは当局の許可なく、
20万人の飲料水になる水源に人体に害を及ぼしかねない塩素を混ぜました。
市民や科学者は、飲み水に勝手に手を加えたリールを激しく非難しました。
ある著名な科学者は、こう述べたそうです。
「薬品で水を殺菌しようという考え方自体受け入れがたい」
世間を敵に回しても、リールさんはこの実験にかけたのです。
結局問題は起きず、リールさんの実験は大成功となります。
数年のうちに、飲み水を塩素で消毒する方法は、
アメリカ全土で採用されました。
アメリカでの腸チフスの死者数は、塩素消毒の導入で急降下しました。
幼児の死亡率もほぼ半減しました。
この後塩素系漂白剤が売られていくことに繋がります。
以上が、頭に浮かんでくる番組の内容のあらましです。
このような人がいて、出来事があって、
飲み水の塩素消毒が始まったのですね。
それもたった100年前。
日本の塩素消毒のスタートは1921年(大正10年)だそうです。
※参考:東京水道局HP
よし書き留めたぞ。
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