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2012年12月25日 (火)

「北条義時」・・・半世紀前の本でした

   

今日は12月25日。

  

「北条政子」(永井路子著)を読んだ後は、

今度は「北条義時」(安田元久著/吉川弘文館)を図書館で借りてきて読み始めました。

今のマイブームは、北条氏ですね。

   

「はしがき」を読み始めて、おやっと思ったことがありました。

  

北条義時の場合は、承久の乱の張本人として、

きわめて悪逆な人物として印象づけられ、

また鎌倉将軍の実権を奪った佞姦(ねいかん)邪悪の権謀家として、

多くの人々の記憶に残っているのではないだろうか。(1p)

   

戦前の教育によって歴史の知識を得た人々にとって、

北条義時は「逆臣」「不忠の臣」以外の何者でもなかった。

明治以後の天皇制国家のもとで、

皇室絶対の観念を基本として歴史上の人物を評価するとき、

天皇を廃立し、三上皇を配流するという挙に出た北条義時は、

何等(なんら)同情の余地のない、全くの逆臣であり不遜の人である。

その意味で彼は一般の人々の間に全く人気がなかったばかりでなく、

彼に筆誅を加えてきた人々が多かった。(2p)

   

さらに義時は、江戸時代の史家にも不人気だったそうです。

江戸時代は主君に対する忠誠が最も重視された時代。

主家である源氏将軍家を三代にして滅し、

将軍の実権を奪ってしまった北条氏、

特に義時は、その陰険な策謀とあいまって、強く非難されていたようです。

   

これらのことを踏まえて、著者はこう書いています。

  

「逆臣」義時に対する悪評は、江戸時代から明治をへて今日に至るまでに、

すでに固定化した感がある。

私は義時のこうした悪評の中から救い出さねばならないと思う。(3p)

  

ここまで読んで、違和感がありました。

北条義時がそんなに不人気かな? 

  

思わず、本の出版年を調べてしまいました。

  

昭和36年12月25日 第一版第一刷発行

  

とありました。お~古い!

本が昭和61年印刷なので、新しい本に見えました。

古いといっても、私が生まれた年のクリスマスです。

今日はクリスマスなので、ちょうど51年前の本。

半世紀前の義時を取り巻く雰囲気が伝わってきて面白いです。

  

現在、義時に対する悪評は払拭(ふっしょく)されていると思います。

悪評があった方がまだみんなの義時への関心が高かったけど、

今は義時にあんまり関心がないのではないでしょうか?

 

 

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