ベアトの写真/昔の日本人
今日は4月17日。再スタートから4日目。
「維新前夜」(鈴木明著)をきっかけに、古写真について書いてきました。
これが6本目。とりあえず最終回。
本「続 幕末・明治のおもしろ写真」(石黒敬章著/平凡社)にもベアトのことが書いてありました。
ベアトが撮影した生麦事件の現場。
この写真の左に立っている大柄な人物がベアトだと石黒さんは推理しています。
ベアトはたくさんの写真を撮った人だけど、肖像写真が皆無なのだそうです。
だから、この写真に写っている大柄な人物がベアトだとしたら、
貴重な写真になるそうです。
平成8年10月12日の朝日新聞夕刊に、
ベアトの写った写真が発見されたという記事がありました。
この記事、何となく覚えがあるなあ~。
いつか図書館で手に入れてみたいです。
ところで写真に写っている人力車について、石黒さんはこう書いています。
旅の外国人と、その荷物を運ぶ人足の写真である。
旅の途次写した記念写真であろう。 (中略)
断髪令発布が明治4年、人力車の普及が明治4,5年ということを考え合わせると、
明治5年頃の撮影と想像できる。
人力車は明治2年、和泉要助、鈴木徳次郎、高山幸助の3人の発明になるもので、
明治3年に東京府によって製造及び営業が許可されている。
その後2年くらいで、国内はもとより外国にまで輸出するほどに普及したという。
右に写っている人足2人は腰の入れ方ひとつ見ても、
モデルでなく本物であると分かる。力強いポーズで決まっている。 (7p)
テレビの時代劇で、幕末や明治の人たちが俳優によって演じられます。
でも、こういう写真を見ると、当時の日本人と現代の日本人は質が違うと感じてしまいます。
体つき、顔つき、目つきなど、違います。
下の写真はもっと感じます。
石黒さんも、「鋭い目つきに圧倒されてしまう」と書いています。
確かにそう思います。
駕籠かきや人力車引きだから、体が引き締まっているのかもしれませんが、
たるんでいない体・精神を感じます。
同じ日本人ですが、150年の歴史が日本人を変えてきたのでしょうか。
古写真。まだまだこだわりたいテーマです。
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