「満」の4画目と7画目の長さ
先日国語の授業で漢字練習をしている時に気がつきました
使っている漢字スキルの「満」の字の4画目と7画目。
この横棒の長さに違和感。
7画目のほうが短かったのです。
私は今まで7画目のほうを長く書いてきました。
「え~そうなの~」と授業中に大騒ぎしたので、
なんと子どもの一人が調べて日記に書いてきてくれました。
その子は「漢字の正しい書き順」を調べてくれました。
このサイトによると、
四、七画目はどちらが長くても構いません
と書いてありました。勉強になりました。
私も調べてみました。
「漢字Q&A」http://www.taishukan.co.jp/kanji/qa05.html#Q0248
によると・・・いいことが書いてありましたので引用します。
「満」という漢字の4画目と7画目の2本の横棒は、どちらを長く書くのが正しいのですか?
漢字とはコミュニケーションの道具ですから、
基本的には、書き手の意図が読み手に伝わることが大切です。
ですから、間違った漢字を書いて、相手に誤解を与えてしまうのはもちろん問題ですが、
かといって細かい部分にこだわりすぎて、自分の表現が窮屈になってしまうのも、考えものです。
この「漢字Q&Aコーナー」では、漢字の細かい字形について、
しばしば、「どっちの書き方でもいいんです」と申し上げてきました。
それは、細かい部分にこだわりすぎて窮屈になってしまうと、
漢字のおもしろみが半減してしまう、と考えるからです。
今回のご質問も、同じです。
「満」の4画目と7画目の横棒は、どちらを長く書いたとしても、「満」以外の漢字と間違えられる恐れはありません。
また、漢字の成り立ちから考えると、この字は旧字体では「滿」と書かれていて、
問題の部分は「廿」の形をしていました。
ですから、もしこだわるのだとすれば、
「7画目は突き出ない」とすべきでしょうが、新字体では「突き出る」のが前提になっています。
旧字体と新字体の間で、この部分の形に関する根本的な考え方が変わってしまった以上、
4画目と7画目の長さに関する議論は、漢字の成り立ちからは結論を出せそうにありません。
以上のように、どちらかでなければならない理由は見あたりませんから、
結論としては、いつものことながら、どちらでもよい、ということになります。
ちなみに、これまでも何度かご紹介してきた、『常用漢字表』に付された「(付)字体についての解説」の中でも、
この字は図のように示されて、長短に関してどちらでもいい例の1つとして取り上げられていることを、付け加えておきます 。
「どちらでもいい」という結論は、子どもたちに正確さを要求する小学校教師には少々抵抗があるかも。
でも世間はそうなので、このことを”正確に”伝えないとね。
「満」はわざわざ例の一つとして取り上げられている字。
その字にピッときて調べられた今回の出来事はラッキーでした。
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