本 「現代に生きる二宮翁夜話」② バカなことをすれば馬鹿
今日は令和5年12月26日。
前記事に引き続き、
「現代に生きる二宮翁夜話」(中桐万里子著/致知出版社)
より引用します。
また無智の者はよく心がけて、馬鹿なことをしないようにするがよい。
生まれつき馬鹿でも、馬鹿なことさえしなければ馬鹿ではない。智者
でも馬鹿なことをすれば馬鹿であろう。
(91p)
以上の福住正兄さんの文章に、中桐さんは次のように書いています。
彼は徹底的に、「ひとがいまここでする行動」に注目をするのです。
生まれつき馬鹿でも・・・・・・なんて言い回しは、完全に金次郎節ですが、
それは彼なりの不器用な愛情表現だと感じます。金次郎は、何を持と
うが持つまいが、誰しもがすぐれた賢者や智者であり得ると考えてい
ます。 そこにおいて最重要なのは、ただ一点。「いま行動することが、
馬鹿なことではないか」。だからこそ、一つひとつの行為に注意を払
い、こころを配り、油断することなく歩むようにと語るわけです。
わたしもまた、あるとき言われました。ひとは生まれながらに「わた
しである」のではなく、日々の経験が、試行錯誤が、味わう感情が・・
・・・・ そうしたものが重なりゆくなかで少しずつ少しずつ 「わたしに
なる」のではないかと。わたしがその行動をしているのではなく、そ
の行動がわたしをカタチづくってゆく….....。
なんだかナゾナゾのような発想の転換ですが、そんな風に捉えてみる
と、これまでとは違った景色がみえてきます。
挨拶をすること、履物をそろえること、約束を守ること、丁寧にお掃
除をすること….….。日々の小さなふるまいが大切だと、さまざまな場
所でよく耳にします。もしかしたらそれもまた、金次郎のお話と通じ
ているのかもしれません。そう、わたしが挨拶をするのではなく、挨
拶という行為がわたしを磨いてゆく・・・・・・という具合に。
(92〜93p)
「その行動が私を形作る」
「今やっていることが、馬鹿なことではないかチェックする」
誠実に生きろということですよね。
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