「朝食にパンを食べるな」⑤ ブドウ糖とケトン体
今日は令和5年1月6日。
前記事に引き続き、
「朝食にパンを食べるな 10万人の胃腸を診た専門医が教える!!
長生き食事術」(福島正嗣著/プレジデント社)より。
この本については、この記事がラストになると思います。
ブドウ糖とケトン体についてです。
この本で新しく知ったことです。
人間のエネルギー源には、ブドウ糖とケトン体の二つがあります。
ブドウ糖は糖質の最小単位で、ここまで説明してきたように、ご飯や
パン、麺類など炭水化物から摂取された糖質の多くはブドウ糖に分解
され、エネルギーとして使われます。
ケトン体というのは脂肪の一種で、体に蓄えられた中性脂肪を肝臓で
分解し、エネルギーとして利用できるようになった状態の脂肪酸のこ
とです。
ケトン体は、脳を動かすエネルギーになります。かつては「脳はブド
ウ糖しかエネルギー源にできない」というのが定説でしたが、現在は
違うことがわかっています。
皆さんも長時間食べなかったときに、途中までお腹がすいて仕方がな
かったのに、ある時点から急に空腹感もなくなり頭が冴えるようにな
った経験があるのではないでしょうか。
これは、ブドウ糖からケトン体にエネルギーがスイッチされたからで
す。このような状態のときは、感情の起伏がなくなり、頭が回らない
どころか、いろいろなアイデアが沸いてくるとされます。
私自身は、生物の歴史から考察すると、ブドウ糖は本来、二次的なエ
ネルギー源であり、ケトン体によるエネルギー利用のほうが本来備わ
っていたものだろうと考えています。
(178~179p)
頭を使うときには、甘いものを食べて頑張ろうとよく言います。
これはブドウ糖を意識したものでしょう。
人間には、脂肪由来のエネルギーがあって、
それは脳のエネルギーにもなるのですね。
だから、炭水化物を減らして、頭を使えば、瘦せるというわけです。
そのことを書いた部分を引用します。
人間には、このブドウ糖とケトン体を使った、二つのエネルギーをつ
くる回路があります。「ブドウ糖ーグリコーゲン」系回路と、「脂肪
酸ーケトン体」系回路(脂肪燃焼サイクル)です。
人間は、この二つの回路を使い分けてエネルギーを得ているのです。
どちらのエネルギー回路を優先的に使うかは、その人の食事の内容に
よって変わります。
糖質の多い食事を摂っている人は「ブドウ糖ーグリコーゲン」回路で
エネルギーをつくり、脂質中心で糖質が少ない人は「脂肪酸ーケトン
体」回路を利用してエネルギーをつくる割合が多くなります。
ブドウ糖ーグリコーゲン回路を主なエネルギー源にして生きている人
は、体脂肪自体は分解されにくいため、見た目は太っています。それ
に対し、脂肪酸ーケトン体回路を利用している人は、体脂肪が消費さ
れるため太りにくい傾向にあります。
(180p)
ブドウ糖は体には必要ですが、体外から摂取して過剰にあると、
体内で炎症を起こす毒になるので、
「ブドウ糖ーグリコーゲン」回路が優先的になるわけです。
したがって、炭水化物を摂取する量を減らし、
ケトン体をエネルギーにする体質にすればいいのです。
そして必要なブドウ糖は、先に引用したように、
糖新生という仕組みで、タンパク質と脂質で体の中で
作ることができるので、大丈夫です。
マヨネーズといえば太る調味料の代名詞で、控えている人もいると
思いますが、マヨネーズはほぼ油なので炭水化物と一緒に摂らなけ
れば太りません。
(189p)
これは朗報です。
昨晩もマヨネーズをたっぷりかけて、レタスを食べました。
ダイエット中に小腹が空いたときに何を食べるかは、非常に重要な
問題です。(中略)手軽に食べられて、血糖値も上げずに満足感が
高い食材としては、ナッツがおすすめです。
硬いナッツは食感としても満足でき、オメガ3脂肪酸やビタミンE
も豊富に含まれており、栄養価も高い食材です。ナッツの中でもア
ーモンドやクルミは、糖質が少なくミネラルや良質な脂質が多いた
め、私は昼でも夜でも小腹が空いたときに食べるようにしています。
(191p)
なるほどナッツか。
現在昼ご飯はそばにしているけど、買い置きが終わったら、
ナッツを昼飯にするのもいいなと思い始めました。
この本の最後にはがんについても書いてありました。
「インスリンはがんを増殖させる最大の因子」としています。
糖質制限で、インスリンの出る量は減るのですが、
タンパク質を食べることでも、インスリンは出るそうです。
がんになる栄養素の順番は、1番炭水化物、2番タンパク質、3番脂質
だそうです。
がんは糖分という利用しやすい栄養を絶たれても、脂質やタンパク
質をエネルギー源に変えて大きくなることもわかっています。この
ため糖質だけにターゲットを絞ったがん対策はすでに古く、高イン
スリン血症をターゲットとしたがん対策が求められていく時代に突
入しています。
そして、高インスリン血症を抑制することで従来からあるがん治療、
つまり手術、抗がん剤、放射線治療の治療効果をさらに上げること
も可能です。ケトン食は、ほかの治療とは違い副作用はほぼないた
め、がんを治療する医療現場で積極的に取り入れられる時代が一日
でも早く到来することを願い、この本の締めくくりとします。
(229p)
がん対策にもなるんだったら、やるしかないなと思います。
昼飯をケトン食にしよう。決めた。
この本の収穫は大きかった。
コメント