「80歳の壁」② 85歳になればだれもが認知症
今日は令和4年7月25日。
前記事に引き続き、
「80歳の壁」(和田秀樹著/幻冬舎新書)
より。
人はなぜ、認知症になるのでしょうか?
答えはとてもシンプルです。年を取るからです。
ただし、幸齢になってから発症する認知症の多くは、とてもゆっくり
と進行する病気です。じつは発症の20年ほど前から少しずつ進行し
ているのですが、ほとんどの人は気づきません。そして発症後も進行
は続き、止めることはできません。
多数のご遺体を解剖して、わかったこともありました。ガンと同じよ
うに、85歳を過ぎた人のほぼ全員の脳に、異変が見られたのです。
アルツハイマー型の脳の変性のような病変です。
つまり、認知症は病気というより「老化現象」に近いものであり、年
を取ると誰にでも起こる症状、というわけです。筋力が衰えて運動が
できなくなったり、肌にシワができたり白髪になったりするのと、同
じことなのです。
(27~28p)
これも父親の体験から実感しています。
当初は焦りましたが、このことを知っていたら、
もっと落ち着いて対応ができたと思います。
「闘病」という選択が、かえって自分を苦しめることになるのです。
私が80歳を迎えるような幸齢者にお勧めしたいのは、「闘病」では
なく「共病」という考え方です。病気と闘うのではなく、病気を受け
入れ、共に生きることです。
ガン化した細胞を薬で攻撃したり、手術で取り除いたりするのではな
く、それを「手なずけながら生きていく」という選択です。
「病気とわかっていながら闘わないのは敵前逃亡だ」などと思う人は、
こう考えたらいかがでしょう。「逃げるが勝ち」と。
テレビでは、タレントさんの「闘病」を美談にして語りがちです。だ
から「自分も闘う」という気になるかもしれません。しかし幸齢者に
必要なのは「勇ましさ」より「穏やかさ」。「ガンと闘ってくれる医
師」ではなく「ガンで苦しまぬ方法を共に考えてくれる医師」だと思
います。
(46~47p)
これもまた、父親を診てくれているお医者さんの態度でもあります。
こちらは焦りがあったのですが、お医者さんたちは心配ないですよ、
長い目で見ていきましょうという感じでした。
今から20年後の80歳代というのは、こういうものなんだなあ。
その20年が短いものに思えたり、長いよと思えたり。
20年経っても元気でいたいなあと思います。
医師選びでは、医師との相性も大事になってきます。
80歳を迎える幸齢者にとって、病院や医師はとても身近な存在で
す。診察の度に暗い気持ちになったり、気疲れしたりするような医
師とは、つき合わないほうが賢明でしょう。相性がよくないのです。
(中略)病院は具合が悪いときに行く場所ですから、話をしていて
気持ちがいいとか、真剣に話を聞き、応じてくれる医師のほうがい
いに決まっています。
世間的な名医より、自分にとっての「明医」を見つけることが大切
なのです。
「私の最期を看取ってほしい」と思えるようなら、相性は最高でし
ょう。
(58~59p)
20年後にそんなお医者さんと出合っているかな。
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