「やばいデジタル」① デジタルデータは蓄積され利用される
今日は令和3年2月8日。
この本を読みました。
「やばいデジタル ”現実(リアル)”が飲み込まれる日」
(NHKスペシャル取材班/講談社現代新書)
引用していきます。
デジタルは、私たちの社会をさらに自由に、豊かにしてくれるーーー。
しかし、それが現実に淡い願望であったことを、私たちはいま実感させ
られている。
SNSの広がりは「真実」と「フェイク(偽物)」の境界を曖昧にし、
私たちが「フェイク」に踊らされる事例が数多く発生するようになった。
文脈を失い、断片化された情報は、それがデマであってもまるで真実の
ように、「いいね」が付けられ、世界中に拡散されていく。極端な意見
に共感が集まり、主義主張の異なるもの同士の罵り合いが加速する。
デジタル化の波は、人々の分断を深め、真実を見えなくさせ、フェイク
の渦に私たちを巻き込んでいった。さらには、ビッグデータに蓄えられ
た膨大な個人情報は、デジタルの世界のもう一人の自分=「デジタルツ
イン」となり、プライバシーは丸裸になりつつある。
にもかかわらず、私たちは、デジタルの恩恵から逃れられない。
そう、私たちの「現実(リアル)」は、すでにデジタルによって浸食さ
れ、デジタルを抜きにしては考えられないものへと変わってしまったの
だ。
(3~4p)
「はじめに」に書かれた文章です。
この本に書かれているデジタル社会の問題点を端的に書いてあります。
インターネットが始まったころは、これからは調べたいと思えばすぐに
調べて結果を得ることができると喜びました。
メールが始まったころは、電話をしなくても、郵便物を使わなくても、
手軽に情報が送れるので、便利だと思いました。
そう思ったのは、たった30年ほど前のことだと思います。
私はいまだSNSは所持していませんが、iPadは所持しており、
家にはパソコンがあって、日々ネットと繋がっています。
この便利な世界にどっぷり浸かっています。
そんなデジタルの世界で問題になっていることを知った本です。
ところで、私たちが日々向き合っているデジタル世界とはどのような
ものか。私たちは日々、絶え間なくデータを生み出していると書いた
が、合計すると一体どのくらいのデータになるか、ご存じだろうか。
その答えは、
50 000 000 000 000GB
2020年の1年間に、これだけのデータが世界中で生み出されると
試算されている。これは、YouTubeの高画質(HD画質)動画57億
年分にも相当する(HD画質の場合、1GB=約1時間)。何とも途
方もない数字だ。
これだけのデータが、地球30周分の海底ケーブルを通じて世界中で
やりとりされ、IT企業のデータセンターに集積されていく。一つ一
つは些細なデータでも、これだけのデータ量が積み重なった時、この
デジタル世界は、私たちが住む現実世界をも脅しかねない存在へと変
貌してしまうのである。
(5~6p)
私がこうやって1文字ずつ打ち込んでいるのも、
データを生み出しているわけです。
こうやって明らかに生み出しているデータだけでなく、
検索したり、いいねを押したりするのもデータでしょう。
それが全て残されているのだとしたら、
すごい量になるんだろうなと思います。
アナログのデータだったら、その多くは古くなって捨て去られたり、
捨てられないまでも忘れ去られてしまうことでしょう。
しかし、デジタルデータは蓄積され利用されるのです。
何らかの影響力もあるのです。
30年前にはなかった状況だとあらためて思います。
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