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2020年2月24日 (月)

「歴史の愉しみ方」③ 詮議/変通

  

今日は令和2年2月24日。

  

昨日の記事に引き続き、

歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ

(磯田道史著/中公新書)より引用します。

  

司馬(遼太郎)さんは、明治人のリアリズム、とりわけ、薩人

(さつじん)(幕末の薩摩人)の的確な判断力について書いて

いる。薩人が、幕末政局をあやまたず、新政府を樹立するまで

の道のりを鮮やかに描いた。倒幕は薩長土肥の共同作業のよう

に語られるが、その実は違う。薩摩の、それも西郷や大久保な

どのごく一部の薩摩人が、恐るべき才覚でもって、まわりを巻

き込み、彼らが絵を描いて、革命にもっていったものである。

近年の幕末政治史の研究が、次第に、その実状を明らかにしつ

つある。

薩摩は、あるいは、日本のなかの例外かもしれない。薩人には、

「もし、こうなったら」とあらかじめ考えておく「反実仮想」

の習慣があった。(中略)薩人は、これから起きうる事態を事

前に想定し、対処のすべてを用意することに長けていた。薩人

の判断力の正体は高い反実仮想力であったといってよい。これ

を鍛えたのは、薩摩の郷中(ごじゅう)教育の「詮議(せんぎ)

」であった。薩摩では詮議と称し、子どもに色々と仮定の質問

をなげかけて教育した。「殿様に急用で呼ばれた。早馬でも間

に合わないときは、どうするか」「道を歩いていて脇の塀の上

から唾(つば)を吐きかけられたら、どうするか」など、仮定

の質問を子どもに問い、考えさせる訓練が繰り返された。

(67p)  

  

ついつい考えたり準備したりすることを後回しにしてしまい、

その時になってあわててしまうことは多々あります。

「詮議」大事です。

自分に問いを課して、自分の考えを出しておいたり、

準備をしておくことは大事だと思います。

「新型コロナウィルスに自分が罹患したらどうするか」

「家族が新型コロナウィルスに罹患したらどうするか」

など、今は考えておくといいかもしれません。

  

  

この国では1800年前後、寛政期あたりから、学校化が始ま

った。まず、武士からこの流れにまき込まれ、江戸前期には、

藩校はあっても自由登校であったのに、幕末までに、かなりの

藩で出席が義務化された。明治以降になると、学校への出席義

務は拡大、庶民までのみこまれ、現在に至っている。メリトク

ラシーとよばれる能力選抜主義に、下級武士から順次のみこま

れていったが、近代になっても、皇族・華族は学校化に対して

割合に超然主義を貫いていた。

(111~112p)

 

今の学校教育は、過去からずっと行われてきたものではなく、

まだまだ新しい制度なのです。

それなのに、こうでなくてはならないという面がたくさんあります。

まだまだ変化していくものだと思います。

みんな一斉にの教育から、個々に合わせた教育に移行中と思います。

ICTを利用した教育に、あと2年間、取り組んでいきたいです。

変化していくのが当たり前。

  

19世紀の日本人の強みは「世の中は変わる。人智と機械は進

歩する」と信じ「過去にとらわれず自らを変える」のに躊躇し

なかったことである。当時、これを「変通」といった。変化に

通ずるという意味である。

(89p)

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