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2019年11月 8日 (金)

「温暖化」をどう考えるか③/対策積極派と対策慎重派

 

今日は令和元年11月8日。

    

毎週木曜日が、心療内科の通院日。

昨日行ってきました。

1週間、心穏やかだったので、正直に言いましたが、

薬の減量はありませんでした。残念。

「微量でも減らしていきませんか、先生」と言いたかったけど、

言えませんでした。また1週間、心穏やかに過ごしたい。

  

昨日の記事の続きで、

異常気象と人類の選択」(江守正多著/角川SSC新書)から

引用します。2013年9月刊行の本です。

   

自分ではなるべく首を突っ込まないようにしながら

温暖化政策論争を外側からずっと眺めていた結果、

僕が観察したのは次のようなことです。

 

対策積極派の主張では「温暖化の影響は将来の人類のみならず、

今生きているわれわれにも莫大な損失を与えるこのである一方、

大規模な対策は実現可能であり、対策の経済的コストは

それほど大きくないどころか、対策を推進することで

ビジネスチャンスも生まれる」ということが、

科学的なデータや権威ある人の発言に裏付けられる形で、

説得力をもって語られます。

 

片や、対策慎重派の主張では、「積極派が言っているような

大規模な対策には膨大な経済的コストがかかる上に、

コスト以外にもさまざまな問題があるので、

現実的ではない一方、温暖化の影響にはよいことだってあるし、

悪い影響もそれほど深刻なものであるかは疑わしい」

ということが、これまた科学的なデータや権威ある人の発言に

裏付けられる形で、説得力を持って語られます。

  

この二つの主張は、一方が他方を明確に否定しているので、

素朴に考えると、両方とも同時に正しいということはなさそうです。

では、どちらか一方が正しくて、もう一方は間違いなのでしょうか。

その場合、正しいのはどちらなのでしょうか。

両陣営が対峙すると、お互いに、自分の主張の裏付けをより多く

提示したり、相手の主張の裏付けを批判的に検討したりといった

議論が行われます。しかし、こうなってくると話は難しい各論に

入っていき、傍で見ている素人には議論を評価することが

次第に困難になっていきます。

(104p)

  

   

温暖化政策論争の場合も、「動機」の存在が論争の決着を

阻んでいるように思います。

つまり、人がこの問題を論じるとき、

まず証拠や理論を客観的に評価してから自分の意見を

形成するのではなく、先に動機に基づいてどちらの陣営に

つくかが決まり、それから証拠や理論を

見始めるのではないかと想像します。

(106p)

  

  

僕の観察では、多くの対策積極派の人の根底にある気分は

「行き過ぎた現代文明の見直し」であり、

人によってそれに「自然への畏怖」が加わるのだと思います。

(108p)

  

  

対策慎重派の人たちの動機はどうでしょうか。

こちらは、僕の観察の範囲でいえば、ある程度共通する感覚は

「現実主義」ではないかと思います。

確かに現代文明にいつかは限界が来るかもしれませんが、

それでも当面は化石燃料を使い続けなければ、

われわれの社会は立ちゆかないでしょう。

これからどんどん経済発展する新興国や発展途上国が、

化石燃料を手放すとはとうてい考えられません。

代替エネルギーの導入も、急いで大量に進めようとすれば

大きなコストがかかりますし、インフラも作り直さなければ

いけません。このように、「現実的な」規模とスピードでしか

対策はできないと認識するべきだ、という感覚があるのだと

思います。

(109p)

   

  

対策積極派と対策慎重派の比較の文章を引用しました。

 

まだつづく。

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