放生会の「放し亀」の浮世絵
今日は11月18日。
前投稿に引き続き、
9月18日放映の「にっぽん!歴史鑑定 江戸っ子の秋の楽しみ」より。
放生会(ほうじょうえ)についてやっていました。
食べ物に対する感謝の念を表すために、
江戸時代には放生会というのが行われていました。
殺生(せっしょう)を戒めるための仏教由来の儀式、放生会です。
生き物を逃がすことで功徳を受ける会だそうです。
「功徳を受ける」とは、善行を行うことで報償を受ける権利をもらうこと?
う~ん、善い行いをして殺生を許してもらおうということかな。
新暦だと9月・10月の頃に当たる旧暦8月15日に
毎年行われていました。
この日、神社や寺の境内には逃がすための生き物、
「放し亀(がめ)」「放し鰻」「放し鳥(どり)」を売る露店が
軒を連ね、おおいににぎわったそうです。
左上の絵に見覚えがあります。
安藤広重の浮世絵作品にありました。
「名所江戸百景 第56景 深川万年橋」
↑このサイトから引用
亀は万年。その名を冠する萬年橋で桶につるされた亀は、
今、売りに出されている亀である。
といっても、ペットとして売られているのではなく、
放すために売られている。
これは、放生会(ほうじょうえ)という儀式を
モチーフにした絵であるのだが、
これは、万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、
後生の安寧を願うために、生きた動物を自然に返す行事であり、
古くから全国の八幡宮を中心に行われてきた。
放たれるのは、鳥や魚であることが多く、
この行事のために、わざわざこうした小動物が売りに出されていたという。
描かれた亀は、深川八幡宮の放生会に供される亀であろう。
隅田川越しに富士山を望み、いま放たれんと鼻息も荒い。
「放生会」「功徳を受ける」の説明も含んでいて
勉強になりました。
この絵が身近になりました。
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