「落語家直伝 うまい!授業のつくりかた」より その3
今日は6月24日。
前投稿に引き続き、この本からの引用です。
「落語家直伝 うまい!授業のつくりかた」
(立川談慶著/玉置崇監修/誠文堂新光社)より。
道徳の教材にもなる落語
(中略)道徳向けといえば、「一眼国(いちがんこく)」という
落語もあります。
これは、「一つ目小僧の世界では、二つ目をしている我々のほうが
おかしいんだ」と、見事に言い切ってしまっている噺です。
シェークスピアでも描けなかった世界が、そこには広がっているのです。
「想像力」をさらに働かせた「向こう側から見たら、
こちら側はどう見えているのか」という大人でもなかなか持つことの
できない視点に、幼いうちから触れさせてみることができる名作です。
(145~146p)
算数に役立つ噺
さらに「算数」の授業に役立つ噺もあります。
「壺算(つぼさん)」という落語です。
ちょいとしたトリックを使って悪知恵を働かせて
一回り大きな壺を手に入れる噺です。
「まくら」では、こんな噺もします。
「お父さんが、息子三人に、『お前たちに馬を分け与える。
長男には二分の一、次男には四分の一、三男には六分の一を
分けるように』と言い残して亡くなります。
三人が牧場に行くと、馬の数は11頭しかいません。
さあ、困りました。遺産相続ですから当然、揉めます。
そこへ叔父さんがやって来ます。『じゃあ俺のこの馬をやるから、
12頭にして分ければいい』と申し出ます。
12頭のうちの二分の一の六頭を長男が、四分の一の三頭を次男が、
六分の一の二頭を三男が、それぞれもらいます。
すると、六頭+三頭+二頭=11頭となり、一頭余ります。
で、余った一頭の馬に乗って叔父さんが帰ってゆく」という内容です。
一瞬何が起きたかわからなくなりそうな話ですが、
分数の計算を理解させるには使えそうな面白いトリックですよね。
ぜひ壺算とあわせて、この「まくら」も話してみてください。
(146p)
いろいろな落語があるのですね。
教材としていいのがないか探すのも面白そう。
まずは「動画」で。
コメント