2013夏の研修9 さらに応用行動分析
今日は8月17日。
前投稿に引き続き8月5日の報告
第3回 発達障害に関する教職員の専門性向上研修会
会場は豊川市音羽庁舎
講義2 講師 豊田和浩氏 (NPO法人ゆう 理事長)
「夏の研修1.2」は豊田さんの7月17日の話をまとめたものでした。今回再登場。
〇応用行動分析を用いた支援 ※講義1に出てきた内容!引き続き勉強できる。
〇人と関わる職業なら知っていてほしい応用行動分析
・行動分析とは・・・なぜ人はそのように行動するのか?
・エビデンス(根拠)を持って子どもと関わる
※ここでエビデンスについて調べる
evidence
証拠、根拠、証明、検証結果。
たとえば医学においては、その治療法が選択されることの科学的根拠、
臨床的な裏づけをいう。(Yahoo!百科事典)
〇行動分析にメリット
・具体的な手立てが立てやすくなる。
・実証された方法や理論には効果が期待できる。
・勘からの脱却を図ることができる。
・子どもの責任・相手の責任のトラップに引っ掛かりにくい。
※前投稿でも出てきた「個人攻撃の罠」ですね。
〇人の行動を分析するステップ
・ステップ1 行動をとらえる(ターゲット)
・ステップ2 行動を三つの箱で分析する
・ステップ3 行動が続く要因を探る
〇ステップ1 行動をとらえる(ターゲット)
・行動とは・・・運動・反応・変化であり、観察できるもの
目に見えるもの、聞こえるもの、数えられるもの
具体的に 細分化 「~しない」「受身」「状態」は行動ではない
・「周囲の人にやさしくする」×具体的ではない
・「落ち着いて過ごす」×具体的ではない
・「イスに座っていられない」× 座っていない時に子どもが何をしているかが大事
・「ルールを守らない」×ルールを守らずに何をしているかが大事
〇ステップ2 行動を3つの箱で分析する
・3つの箱とは ABC
A:行動の手がかりやきっかけ(活動 場面 人 指示)
↓
B:行動(適切な行動 許せる行動 気になる行動)
↓
C:行動の直後の状況や対応、結果(行動の結果生じる損得) ここで得があると行動は続く
・3つの箱に入れる順番
①「行動」(B)の箱に入れる
②「直前の状況・環境」(A)の箱に入れる
③「直後の状況・環境」(C)の箱に入れる
〇行動の意味(機能の種類) ・・・・小嶋先生は2つだと言っていた。
・その行動をして何かを得ようとしている
・その行動をして逃げようとしている
・今回は4つに分けられる
・注目:(誰かからの)注目が得られる 「見てほしい」「かまってほしい」
・要求:子どもにとってプラスの出来事ができる、しえもらえる 「~したい」「~がほしい」
・逃避:子どもにとってマイナスの出来事をしなくてすむ、受けなくてすむ
「嫌だ」「~したくない」
・感覚:気になる行動、そのものの感覚を楽しんでいる 「自己刺激になることをしたい」
〇注目の機能の例
A:きっかけ 休み時間、することがなくて暇 先生は他の友だちと話している 注目なし
B:行動 大声をあげる
C:結果 先生が近くに来て「やめなさい」と声をかける。かまってもらえる。
〇感覚の機能の例
A:きっかけ ひまなとき
B:行動 自分の頭をたたく
C:結果 好む感覚刺激がある
〇対応の考え方
・鳥取大学 井上雅彦先生のHPに次のような表がある「ストラテジーシート」
※ここからも印刷可能→print.docxをダウンロード
〇間欠強化
・パチンコと同じ たまにいいことがあると強化され行動が継続する
・おねだりされて、たまに買ってあげると、子どものおねだりは止まらない。
〇消去バースト
・その行動をやめさせようと消去を始めた時、一時的にその行動が悪化すること。
〇行動を3つに分ける
・好ましい行動 ・好ましくない行動 ・許しがたい行動(反社会的行動)
・気になる子は「好ましくない行動」に目がいってしまう。
※そんな子だからこそ「好ましい行動」を見つけたい。
〇好ましい行動をタイミングよくほめる
・行動を具体的にほめる。シンプルで明るい口調でほめる。
・しゃがんで視線を子どもに合わせる。表情もにこやかに。
・褒め言葉だけで充分 「次もがんばって」は余分
・行動を始めた瞬間に褒める 終わるのを待つのは間違い
・「25%ルール」で褒める できたところをほめる。
〇ほめ方
・感謝を伝える。
・手を振ったり笑顔を見せたりして「仕草」で褒めるを表現
・目線を合わせてにこやかに。
・「〇〇を始めたね」「もう少しだね」を経過を伝える言葉を伝えるといい。
↑保護者から有効だと言われている褒め方だそうだ。
・好ましくない行動をしている時に、好ましい行動のヒントを出し、気づいたら褒める。
〇好ましくない行動には、注目しない
・子どもの方を見ない。目を向けるだけでも関心が伝わる。
・イライラを顔に出さないようにする。我慢が必要。
・好ましくない行動には注目しない一貫した対応をとる。
・子どもが好ましくない行動をやめた時に、さりげなく近づいて行って褒める。
〇技として知っておく
・予告 「5分たったらお風呂に入ろうね」 予告して行動させる
・選択 やる気にさせるための指示 選択させるとやれる気分になる
・ブロークンレコード 繰り返して言う 壊れたレコードのように
〇家庭との連携
・学校でも家庭でも評価される連絡シートをつくる。
・自己評価が低い子が多いので、自己評価を上げるために学校と家庭で褒める。
〇シェイピングゲーム(そうそうゲーム)
・好ましい行動をした時に、「そうそう」と声をかける。
・褒めると行動は形成されるけど、怒っても行動は形成されない。
〇参考文献
「行動分析学入門」(杉山尚子著/集英社新書)
「みんなの自立支援を目指すやさしい応用行動分析学」
(高畑庄蔵著/明治図書出版)
本を読むなら夏休みと思っていたけど、あまり読めずに8月も17日か~
高校野球。済美高校VS花巻東高校
豪腕安楽投手擁する済美高校が7-6で敗退。追いつ追われつのいい試合だった。
コメント